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地域の食でつながる復興の輪
能登・珠洲市「共食会」
開催レポート

2024年の発災以降、能登・珠洲市では仮設住宅への入居や環境の変化により、かつての「地域の繋がり」が薄れつつあります。慣れない環境への疲れや、独りで食べる食事。そんな日常に、もう一度「集まって食べる喜び」を取り戻したい。その強い想いから本プロジェクトは始動しました。今回お届けしたのは、郷土料理コンテストに応募された、地元の伝統料理を「うま味」の力でおいしく減塩し、今の調理環境でも無理なく作れるよう手軽にアップデートした特別なレシピです。2025年9月に開催された「はす蒸し」と「あいまぜ」を作る料理教室形式の共食会の様子をレポートします。会場に広がった温かな湯気と、皆さんの笑顔をぜひご覧ください。

開催概要

開催日 2025年9月9日
会場 宝立公民館(石川県珠洲市)
参加者 地域住民・食生活改善推進員・専門家・関係者 計約20名
主催 日本うま味調味料協会
内容 郷土料理の共同調理・共食・交流会

珠洲市の中でも、2024年の能登半島地震・豪雨被害の大きかった地域の公民館を会場とし、レシピを考案したチームと地域住民を中心に開催されました。共同作業を通じて自然な交流が生まれる環境づくりが重視されたプロジェクトです。

チーム紹介

アラフォー専門学生!

スローフード・ラボ+

災害後の地域に「食」で元気を

コンテストには、全国各地から多様な郷土料理の応募がありました。
いずれも、うま味調味料を活用しておいしく減塩できるよう工夫され、若い世代でも無理なく取り入れられるレシピです。これらのレシピを、それぞれの地域の皆さんに活用していただき、日常の食卓や共食の場で役立てていただくことで、地域での会話や集いのきっかけとなり、郷土料理を次世代へ手渡す一助となればと考えています。

なかでも、能登半島地震後には、復興への願いを込めたレシピが多数寄せられました。
その想いを実際の地域活動へつなげるため、今回は珠洲市行政との連携により、料理教室形式の共食会が実現しました。

  • 本取り組みの目的は次の3点です。
  • ・郷土料理文化の再発見と継承
  • ・うま味調味料を活用した減塩・健康的な食生活の提案
  • ・郷土料理文化の再発見と継承

みんなで作る郷土料理

左上:あいまぜ、右上:はす蒸し、下:けんちん汁

参加者はチームに分かれ、講師の指導のもと調理を行いました。メニューは下記の3品となります。

  • ・加賀れんこんの「はす蒸し」
  • ・能登地方の郷土料理「あいまぜ」
  • ・けんちん汁

料理教室では、加賀れんこんの風味が楽しめる「はす蒸し」と、能登地方に古くから伝わる郷土料理「あいまぜ」をメインに、皆で安全に楽しく作り、一緒に食べて交流することを大切にしました。料理台を囲みながら会話を弾ませることで、地域の絆を温め直すひとときとなりました。

料理を通じて地元の食材や文化を大切に守りながら、うま味を活用した「おいしい減塩」で健康にも配慮しました。栄養バランスと郷土の味を両立させることで、心も体も満たされるような食のあり方を提案しています。

トントントンと軽快な音が響く中、主役の「加賀れんこん」が手際よくおろされていきます。石川の伝統料理「はす蒸し」は、餅れんこんとも呼ばれる強い粘りを活かし、つなぎを使わずに、もっちりと仕上げるのが特徴。蒸したての白身魚やエビに、熱々とろとろの餡をかければ、会場中に優しい香りが広がります。伝統の知恵を「減塩」で再現する、活気ある調理風景となりました。

能登のハレの日に欠かせない「あいまぜ」も無事完成。大根や人参などの根菜を細かく千切りにし、打ち豆や油揚げと一緒に「和え混ぜる」様子は、まさに地域の絆を編み直すかのようです。醤油と砂糖の甘辛い香りに、仕上げの「酢」がさっぱりと効き、食欲をそそります。旬の野菜をたっぷり使い、保存のきく常備菜として愛されてきた先人の知恵を、皆で楽しみながら学びました。

食育と健康行動へのきっかけづくり

おいしさを損なわず減塩や栄養改善を叶える工夫は、楽しみながら健康意識を高める絶好のきっかけとなります。塩分の摂りすぎや生活習慣病が課題となっている現代、身近すぎて意識していなかった「郷土料理」の存在を再発見することは大きな意味を持ちます。地元の食材や伝統的な調理法に込められた先人の知恵を学び直すことで、自分や家族の体を作る「食」の大切さを、皆で共に考える場となりました。

地域復興における“食”の可能性

発災以降、慣れない避難生活や環境の変化により、気力・体力ともに消耗しがちな日々が続いています。そんな時だからこそ、心と体を満たす「食」の力が必要です。慣れ親しんだ郷土料理の香りに包まれ、誰かとおいしさを分かち合う時間は、沈みがちな心に光を灯し、地域への愛着を呼び起こす原動力となります。 「また明日も頑張ろう」と思える活力は、温かな一皿から生まれるもの。食を通じたささやかな喜びの積み重ねが、珠洲の皆さんの笑顔を取り戻し、未来へ踏み出す復興のエネルギーになると信じています。

今後の展開について

今回の珠洲市での共食会は、2024年の「うま味調味料活用!郷土料理コンテスト」から生まれた一つの取り組みです。
本取り組みを通じて、うま味を活かした減塩の工夫が、地域に根付いた料理や食文化とも無理なく結びつくこと、また「一緒につくり、食べる」体験が人と人とのつながりを育むことをあらためて実感しました。
こうした学びは、私たちが今後の活動を考えるうえでの貴重な示唆となっています。


日本うま味調味料協会では、今後も引き続き、うま味調味料を活用した減塩や簡便調理など、現代の健康課題やライフスタイルに寄り添った提案を行っていきます。
今回の共食会は、その考え方を具体的に示した一つの実践例であり、地域の皆さんとの対話や協働の大切さをあらためて教えてくれました。
地域食材に込められた物語を大切にしながら、こうした取り組みが、地域への愛着を深めるきっかけとなり、ときには復興地域のコミュニケーションを育む温かな「タネ」となるよう、今後も対話を重ねながら活動に向き合っていきたいと考えています。

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