うま味調味料の日(7月25日)の由来
東京帝国大学・池田菊苗教授
今から約110年前、東京帝国大学の池田菊苗博士は、「滋養のある粗食を美味しくすることで栄養補給に貢献したい」との強い志から、昆布だしのうま味成分の研究を進め、グルタミン酸が「うま味」の本体であることをつきとめ、さらにこれを使いやすい調味料にすることに成功しました。日本の食文化のだしが生んだ発明ともいえます。
「グルタミン酸塩を主成分とする調味料製造法」が特許化されたのは、1908年7月25日。翌1909年、調味料として商品化・発売され、現在に至ります。池田博士は、この功績により「日本の10大発明家」に選ばれ、その商品化は、明治時代において、画期的な産学連携の成功例ととらえています。また、最近の研究により、「うま味」には基本味の一つとしての生理学的な意義があることが明らかになり、池田博士の想いが科学的にも証明されつつあります。
このような「うま味調味料」について、未だに「化学調味料」の名前で化学合成品等との誤解があるのは残念なことで、多くの方に正しく理解して頂きたいとの思いから、博士の特許取得の日に因んで7月25日を「うま味調味料の日」としました。