- トップ
- レシピ〜うま味の活用〜
- おやき(長野)
テーマ
郷土料理、減塩
2023年03月31日 UP
食塩相当量(1人分)
0.4g 減塩率49%(対伝統レシピ)
うま味調味料ポイント!
•食材の下処理に、他の調味料と一緒にうま味調味料を使用することで、食材のえぐみを抑え、うま味いっぱいの餡にした。
• 鶏肉の下味に、塩の代わりにうま味調味料を使用することで、減塩すると同時に、肉のイノシン酸とうま味調味料のグルタミン酸の相乗効果でうま味を高め、肉の臭みをやわらげた。
• 市販の野沢菜漬けを、うま味調味料を加えた酢水に浸けることで、おいしさを維持しながら脱塩した。
• 生地や、蒸し焼きの際の蒸し水にもうま味調味料を使用することで、食べた時の生地と餡の一体感を持たせた。
◉第7回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2022 優賞
チーム:ラリレファーム
材料5人分
-
ごま油
小さじ2弱
〈生地〉
-
中力粉(A)
75g
-
熱湯※たんぱく質10.0gの粉を使用した場合の分量。これよりもたんぱく質が少ない中力粉を使用する場合は、熱湯量を少なめにする。
75g
-
中力粉(B)
75g
-
水
大さじ2・1/2
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
〈A〉
-
野沢菜漬け
75g
-
水
1/4カップ
-
酢
1/4カップ
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
〈B〉
-
干ししいたけ
4g
-
水
1/2カップ弱
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
〈C〉
-
切り干し大根
25g
-
水
3/4カップ
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
〈D〉
-
鶏ひき肉
50g
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
〈E〉
-
醤油(減塩)
小さじ1弱
-
酒
大さじ1
-
甜菜糖
大さじ2・1/2
-
ごま(白)
小さじ2・1/2
〈F〉
-
水
1/4カップ
-
低核酸系うま味調味料
5ふり
作り方
【下処理】 ボウルにAを入れ、ラップをかけて一晩寝かせ 、野沢菜漬けを脱塩す る。ひと晩経ったらぎゅっと汁気をきり(水洗いはしない)、1㎝以下に細かく刻んでおく。(下処理による減塩率は50%として計算)
別のボウルにBをすべて入れ、干ししいたけをもどす 。もどし汁はとっておく 。
鍋にCを入れ、中火で5分ほど煮て切り干し大根をもどす。冷めたら汁気をきり、1cm以下にこまかく刻んでおく。
ボウルにDを入れ、よくもみ込 み、鶏ひき肉に下味をつける。
【生地作り】ボウルに「中力粉(A)」を入れ、熱湯をゆっくり注ぎながら菜ばしで混ぜ合わせる。さわれるくらいにまとまったら、冷めるまでおく。
別のボウルに「中力粉(B)」を入れ、分量の水にうま味調味料を溶かして一気に加えて混ぜ合わせ、手でこね、ひとまとめになったら手のひらで軽く生地を広げ、⑤の生地を包むように合わせ、均一になるまで練り、ラップをかけて30分寝かせる。
【あん作り】フライパンで、④のひき肉を火が通るまで炒める。(テフロン加工ではないフライパンの場合は、サラダ油(分量外)をひく)
⑦のひき肉に、①の野沢菜、②のしいたけともどし汁、③の切り干し大根、Eの醤油(減塩)、酒 、甜菜糖、ごまを加え、強火で水分がなくなるまでさっと炒める。冷めるまでおく。
【成形】⑥の生地を作りたい数量分に分割し丸め、それぞれを丸くのばす。手に中力粉(分量外)をつけながら、掌でつぶして、中心は厚めに、フチは薄くのばして、円を大きくしていく。片方の手を輪の形にし、その上に生地をかぶせて、中心に⑧の具を置き、反対側の親指でぐっと生地を押し込んだら、生地のフチ同士をぎゅっとくっつけて、あんを生地でしっかりと包む。
弱火で熱したフライパンに、ごま油をひき、口を閉じた面を下にしておやきを並べたら、強火にし、生地に焼き目がついたものから裏返し、両面にこんがりと焼き色をつける。
Fを混ぜ合わせた蒸す用の水を加え、フタをして中火で4~5分蒸し焼きにし、最後にフタを取り、水分をとばし、おやきの表面をカリっと仕上げる。
【伝統レシピの調理手順】
※①伝統的な調理手順では塩抜きは行わない。
※⑥生地作りを二段階に分けない。
長野の郷土料理「おやき」の特徴 (応募レポートより)
●地域
長野県
●食べる機会
「おやき」は長野県の郷土料理で、野菜や山菜を小麦粉などで包んだお饅頭で、
野菜や山菜などの地元の食材を炒めて味噌や醤油で味付けし、小麦粉やそば粉を水で溶いて練った生地で包んで、焼いたり蒸したり揚げたりする料理です。
長野県北部の上水内郡西山地方が発祥といわれていますが、現在では県全域で食され、郷土料理として各家庭で、おやつ、主食として食べられるだけでなく、スーパー、惣菜店、土産物店、出店や善光寺などの観光地でも販売されており、信州名物となっています。
●由来
「おやき」の歴史は古く、上水内郡小川村の縄文遺跡には雑穀の粉を練って焼いた跡が発見されており、これが「おやき」のルーツではないかといわれています。
長野県北部は山間地や急斜面が多く、冷涼な気候で稲作が難しい地域で、稲を作る代わりに小麦や蕎麦が多く作られていました。米があまり手に入らない中で、小麦粉や蕎麦粉の生地で作る「おやき」は米の代替食として良く食べられていました。
●食材
「おやき」の中身となる餡は野菜や山菜を主に、さまざまな種類があります。
長野名産の野沢菜と信州みそのほかにも、茄子、おから、かぼちゃ、切干大根、きのこ、きんぴらなどもあります。
●参考資料
・にっぽんの郷土料理観光事典