- トップ
- レシピ〜うま味の活用〜
- だまこ鍋(秋田県)
テーマ
郷土料理、減塩
2023年03月31日 UP
食塩相当量(1人分)
3.4g 減塩率44%(対伝統レシピ)
うま味調味料ポイント!
• 高核酸系うま味調味料を炊くときに入れることで、お米全体においしさをプラスしました。
• 鶏がらの出汁をとる時に鶏がらと低核酸系うま味調味料を合わせることで相乗効果を引き出しました。
• 鶏肉に低核酸系うま味調味料を加えることで鶏肉のくさみがなくなり、うま味をアップさせました。
◉第7回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2022 郷土愛賞
チーム:チーム名:秋田栄養短期大学 田中ゼミナール
材料5人分
-
精白米(あきたこまち)
2・1/3合
-
高核酸系うま味調味料(A)
5ふり
-
鰹節
10g
-
水
4・1/2カップ強
-
鶏がら
1羽
-
水
4・1/2カップ強
-
低核酸系うま味調味料(B)
小さじ1/2
-
鶏肉もも肉
500g
-
低核酸系うま味調味料(C)
小さじ1/3
-
ごぼう
150g
-
せり
200g
-
糸こんにゃく
400g
-
高核酸系うま味調味料(D)
5ふり
-
まいたけ
100g
-
しいたけ
100g
-
ねぎ
200g
-
醤油
大さじ3・1/3
-
味噌
大さじ1強
-
みりん
大さじ1・1/2強
〈A〉
-
食塩
小さじ2/3
-
水
1・1/4カップ
作り方
米は高核酸系うま味調味料(A)をふり、通常の水分量よりも1割程度少なめにして心持ちかために炊き、熱いうちに袋に入れてめん棒でつぶす。※精白米が2合より少し多いので、水の線は2合に合わせると良い。
Aで塩水を作り、手をくぐらせて①をピンポン球くらいの大きさに丸める。
沸騰した湯に鰹節を入れてだしをとる。鶏がらに低核酸系うま味調味料(B)をもみ込み、水から入れてだしをとる。(しいたけの軸も入れてだしをとる。)
鶏肉はひと口大に切り、低核酸系うま味調味料(C)をまぶし、もみ込む。
ごぼうはささがきにし、せりは4~5㎝に切る。
糸こんにゃくは食べやすい長さに切り、高核酸系うま味調味料(D)をまぶし、もみ込む。
まいたけは手で裂く。しいたけは軸を切り、4等分にする。(しいたけの軸は③鶏がらのだしをとる時に入れる。)
ねぎは1~2㎝厚さの斜め切りにする。
③の2つのだしを合わせ、醤油、味噌、みりんを入れてスープを作る。
鶏肉、ごぼう、糸こんにゃく、まいたけ、しいたけ、を入れて煮る。
鶏肉が煮えたら、②のだまこ、せり、ねぎを入れて、ひと煮立ちさせて盛りつける。
【伝統レシピの調理手順】
※①米は心持ち固めに炊き、熱いうちにすり鉢でよくつぶす。
※②ピンポン球くらいの大きさに丸め、塩水にさっと入れる。
※⑦伝統的な作り方ではしいたけの軸は使わない。
秋田の郷土料理「だまこ鍋」の特徴 (応募レポートより)
●地域
秋田県秋田市、男鹿、南秋、能代山本地区までの沿岸北部
●食べる機会
冬の寒い時期に家族や友達と鍋を囲みながら寒い冬を乗り切れるように体から温まりたい時に食べるものです。私の家庭では新米が出始める頃にだまこ鍋を作りはじめます。
●由来
八郎潟周辺の南秋地方が発祥の地と言われています。だまこ鍋はもともと八郎潟の幸であるワカサギ、フナやシラウオなどを焼いたものを入れて、味噌で味をつけた「つけご」という食べ方がありましたが、八郎潟が干拓されて漁獲量の激減により魚離れが進んだため、魚の代わりに鶏のガラと肉が使われるようになりました。
また秋田ではこどもの遊び道具の「お手玉」を「だまこ」といい、炊き立てのご飯をすり鉢に入れて、すりこぎで程よくつぶして丸めたものがだまこになります。ご飯の団子であり、お手玉に似ていることからだまこと呼ばれるようになりました。さらにだまこ鍋がとてもおいしく子供達が夢中になって食べることから「黙って食べる子」から「だまっこ」と呼ばれるようになったという説もあります。
だまこ鍋は小学生や中学生の頃は学校給食にも提供され、またおばあちゃんやおじいちゃんと一緒に餅つきをする行事の時には家族みんなで食べていて、私にとってだまこ鍋はずっと身近にあります。秋田の小学校では「なべっこ遠足」という全校生徒参加の課外授業があり、グループに分かれて火おこし担当や食材を切る担当など役割分担を決めて調理を行いますが、メニューはきりたんぽ鍋やだまこ鍋を作っていました。こうした経験から生活していく中でだまこ鍋が伝承されてきていると思います。家庭でも母のだまこ鍋作りのお手伝いとしてご飯を潰したり、だまこを丸めたりすることがあるので小さい頃からだまこ鍋を知る機会はたくさんあるのだと思います。
●食材
だまこに使うお米は秋田を代表する「あきたこまち」を使用します。あきたこまちは粘りけがあり、だまこを作る際にとても向いています。また鶏肉も比内地鶏を使うことで出汁に鶏肉のうま味がプラスされ、ぷりぷりの比内地鶏も味わえます。せりは根っこまで食べます。
●参考資料
・農林水産省 うちの郷土料理 だまこ鍋(秋田県)