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- はらこ飯(宮城県)
テーマ
郷土料理、減塩
2024年02月19日 UP
食塩相当量(1人分)
1.9g 減塩率31%(対伝統レシピ)
うま味調味料ポイント!
•サケの煮汁、はらこの漬け汁にうま味調味料を加えてうま味を浸透させ、減塩の物足りなさを補っています。サケ、はらことも、よりうま味を感じおいしくなりました。
•ごはんにもうま味調味料を加え、減塩でも味に深みを感じるようにしました。
◉第8回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2023 優勝
材料2人分
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ごはん
500g
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サケ(皮と骨を除いたもの)
120g
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しょうゆ(A)
小さじ2・1/2
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酒(A)
大さじ1
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砂糖(A)
大さじ1/2
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低核酸系うま味調味料(A)
6ふり(0.6g)
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はらこ(いくら)
40g
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低核酸系うま味調味料 (はらこがき用)
6ふり(0.6g)
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しょうゆ(B)
小さじ1/6
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みりん(B)
小さじ1/2
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低核酸系うま味調味料(B)
6ふり(0.6g)
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しょうが汁(C)
5g
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しょうが(みじん切り)
3g
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高核酸系うま味調味料(C)
6ふり(0.6g)
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小ねぎ(小口切り)
適量
作り方
米は炊いておく(残りごはんでOK)。サケは皮や骨を除き、1cm厚さより少し薄めのそぎ切りにする。
耐熱ボウルに(A)を入れ混ぜ合わせて、サケの身を入れ、サケの両面に液がつくように混ぜ合わせる。しっかりラップをして、レンジ(600W)で1分半程度加熱する。身と煮汁とに分けておく。(※1)
はらこはうま味調味料を少々入れた50~60度の湯の中で静かにほぐし、いくらの状態にする。ザルにとって水けをきる。(※2)
③を②の煮汁が熱いうちに煮汁に入れて軽くかき混ぜ、汁をきりながらすくいあげて、(B)と混ぜ合わせ浸けておく。残った煮汁は取っておく。
耐熱ボウルに④の煮汁(全量)とごはん、(C)を入れて混ぜ合わせ、ラップをしてレンジ(600W)で1分半程加熱し、ごはんと煮汁をなじませる。レンジから取り出して均一になるまでよく混ぜ合わせる。
※伝統的な作り方では煮汁を用いて炊飯するが、ご飯と煮汁を混ぜてレンジ加熱し味をなじませることで、一緒に炊いたようなおいしさが得られる。ごはんを器に平らに盛り、その上に②のサケの身をのせ、④のはらこを散らし、小ねぎを乗せる。
【参考】2人分で作ると作りやすい。サケの身やはらこがあまる場合は2人分もしくは1人分の※1,※2を作って、冷凍保存しておくとすぐに作れて便利。(※1は加熱後に煮汁ごと冷凍)
【冷凍後の作り方】
(1)※1を電子レンジで加熱して解凍し、身を取り出す。
(2)電子レンジで煮汁をさらに温め※2を凍ったまま入れて、ばらばらになったら汁をきりながらすくいあげる。
この後は上記作り方と同様。(B)と混ぜ合わせる。残った煮汁は取っておく。
(3)耐熱ボウル(皿)に(2)の煮汁とごはん、(C)を入れて混ぜ合わせ、ラップをかけてレンジ(600W)で1分半くらい加熱する。レンジから取り出して均一になるまでよく混ぜ合わせる。
(4)ごはんを器に平らに盛り、その上に(1)のサケの身をのせ、(2)のはらこを散らし、小ねぎを乗せる。〈伝統レシピの調理手順〉
①サケは皮や骨を除き、そぎ切りにする。
②鍋に(A)を煮立て、サケの身を入れ、くっつかないように箸で身をほぐして煮る。煮えたら身をすくい上げて平たい器に広げ、煮汁と分けておく。
③はらこは50~60度の湯の中で静かにほぐし、いくらの状態にする。ザルにとって水けをきる。
④③を①の煮汁に入れて火にかけ、軽くかき混ぜ、煮立ち始めたらざるに上げて汁をきり、(B)に漬ける。煮汁は炊飯に用いる。
煮汁に通すことではらこの生臭みが消える。ただし、煮過ぎると硬くなるので注意する。
⑤米は洗ってざるに上げて30分おく。米に2の煮汁と水を入れて炊く。
⑥ご飯を器に平らに盛り、その上に鮭の身をのせ、はらこを散らす。
宮城の郷土料理「はらこ飯」の特徴 (応募レポートより)
●地域
宮城県亘理町発祥
●食べる機会
はらこ飯は季節色の強い郷土料理です。宮城県には北上川、鳴瀬川、阿武隈川などの大小様々な河川があり、毎年秋になるとサケが産卵のために遡上します。サケが遡上してくる9~11月にかけて食べられる秋限定の郷土料理です。この時期はご当地である亘理町はもちろん、宮城県内の多くの飲食店ではらこ飯が提供されています。特に亘理地域の近くの人にはお気に入りのお店があり、秋になると食べに行くのを楽しみにしています。
秋のお祭りやお祝いの席など特別な時に、家族や地域の人たちで食されることが多い郷土料理です。家庭でも作られ、各家庭によって味付けが異なりますが、亘理町では「うちのが一番」が合言葉になっています。
●由来
はらこ飯が誕生したのは江戸時代といわれています。もともとは阿武隈川に遡上してくるサケを地引網で獲っていた地元の「漁師飯」として食べられていました。仙台藩の初代藩主・伊達政宗公が、当時からサケ漁が盛んだった亘理町を訪れた際、地元の人たちが歓待の真心を込めてサケとはらこを素材とするはらこ飯を献上したそうです。政宗公はあまりの美味しさに感嘆したと伝えられています。以来、はらこ飯は亘理町の郷土料理として定着しています。秋の風物詩として長年愛され続け、見映えの華やかさからも祝いの席やハレの日にも好まれるようになりました。
亘理町荒浜の飲食店が加盟する「荒浜はらこめし会」が全国的なPRをおこない、今や宮城を代表する郷土料理となりました。秋になると全国からこの味を求めて観光客がやってきます。
亘理町では「うちのが一番」と言われ、一番おいしいのは各家庭で作られるはらこ飯とされてきましたが、有名になるに伴って、お店で食べるもの、お店から買って食べるものというイメージが強くなっていると思います。
もともと、はらこは安価なものではありませんが、近年、記録的なサケの不漁と物価高の影響から、さらに、はらこ飯をお店で食べたり、買って食べるのには手が出しにくくなっています。
一方で、亘理町でははらこ飯を伝えていくための活動が行われており、亘理町の荒浜婦人会では、元祖の味の伝承活動を行っています。また、町では10月8日を「はらこめしの日」と定め、はらこ飯を永く後世に伝承し、郷土料理の醸成につなげていくことを目的に「はらこめし推進条例」を制定してます。
●食材
使用する食材は、サケ(身、はらこ)と米だけですが、サケの旨みをたっぷり吸ったごはんと、煮汁の旨みが染みたサケの切身、煮汁で軽く煮たコクのあるはらこが贅沢なおいしさです。はらこ飯にはほど良く脂がのった秋サケが欠かせません。また、はらこ飯の「はらこ」は宮城県ではいくらを指す言葉で、加工されていない「すじこ」のことです。サケの腹にいる子「腹子」からそう呼ばれ、はらこ飯の季節にのみ店頭に並びます。
●参考資料