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- 馬かやき(秋田県)
テーマ
郷土料理、減塩
2024年03月01日 UP
食塩相当量(1人分)
1.5g 減塩率30%(対伝統レシピ)
うま味調味料ポイント!
• 馬肉の下味にうま味調味料をもみこみ、臭みをやわらげると共に、馬肉のうま味とうま味調味料の ”うま味の相乗効果” により、よりうま味を高めました。
• こんにゃくの下味にうま味調味料をふることで、こんにゃくの臭みをやわらげました。
• アルミホイルで肉、野菜を調理する際に、合せ調味料の中にうま味調味料も一緒に加えることで、馬肉のうま味はもちろん、野菜のうま味も引き出しました。
これらの工夫により、伝統レシピをよりおいしく減塩することができました。
◉第8回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2023 アレンジ賞
所属 :秋田栄養短期大学 田中ゼミナール
材料2人分
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馬肉(赤身 生)
100g
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酢
小さじ1強
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いちじく
10g
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低核酸系うま味調味料(A)
4ふり(0.4g)
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ごぼう
40g
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突きこんにゃく
20g
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高核酸系うま味調味料
2ふり(0.2g)
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しめじ
40g
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姫たけのこ(水煮)
60g
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しょうが
14g
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長ねぎ
10g
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大葉
2枚
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みょうが
14g
〈合わせ調味料〉
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しょうゆ
小さじ1
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味噌
小さじ2
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酒
大さじ2
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水
大さじ1・1/3
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低核酸系うま味調味料(B)
6ふり(0.6g)
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ごま油
小さじ1
作り方
馬肉を5cm程度に切り、酢、皮を剥いて叩いたイチジク、低核酸系うま味調味料(A)を揉みこんで10分程度臭み抜きをしておく。
ごぼうは細めの乱切りにし、水に浸す。
突きこんにゃくに高核酸系うま味調味料を振って、おいておく。
しめじは石づきを取り、小房に分ける。
姫たけのこは食べやすい大きさに斜め切りする。
しょうが、長ねぎ、大葉、みょうがはせん切りにする。
アルミホイルに馬肉、ごぼう、突きこんにゃく、しめじ、姫たけのこ、しょうがを並べ、合わせ調味料(低核酸系うま味調味料(B)含む)を加えて、水を張ったフライパンでフタをして10分程度蒸す。
馬肉に火が通り、ごぼうが柔らくなったらアルミホイルごと取り出し、長ねぎと大葉、みょうがを上に乗せて、ごま油をかけたら完成。
【伝統レシピの調理手順】
①:伝統的な作り方では調理前に臭み抜きはしない。
④~⑥:伝統的な作り方では④~⑥の材料は加えない。
⑦:伝統的な作り方ではアルミホイルを使用せず、酒で炒り煮する。
秋田の郷土料理「馬かやき」の特徴 (応募レポートより)
●地域
秋田県北部・北秋田地域
●食べる機会
主旧南部藩の鹿角は馬産地で、北秋田地域では馬肉を食べる文化があります。お祭りやご祝儀の宴には馬かやきや馬の煮つけがよく出されていました。
●由来
秋田県北部には古くから鉱山が多く、金や銀、銅が発掘されました。北秋田地域は阿仁銅山などの鉱山地帯であり、そこでは坑内労働によって引き起こされることの多い「よろけ病」が広まっていました。このよろけ病は「珪肺」とも呼ばれ、坑内での鉱石の粉塵を長年吸い続けることで肺が硬くなり、呼吸機能が弱まっていく病気です。このよろけ病の予防と称して馬肉を食べる習慣が生まれたとされています。
馬肉は低カロリー・高たんぱく質であり、鉄分やカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。また、皮膚や粘膜、視覚のたんぱく質生成に関わるビタミンAや糖質代謝、疲労回復に効果のあるビタミンB1、赤血球の形成に関わるビタミンB12なども豊富に含まれています。
また、昔の人々は宗教的な理由から四つ足の動物を食べることを嫌っていたため、「馬」とは言わず「ナンコウ(南向)なべ」と言ったと伝えられています。「なんこう」が段々となまっていき、「なんこ」と短く言われるようにもなりました。この「なんこう」および「なんこ」とは元々、馬の腸を意味するものだったが次第に馬肉全体を指す言葉になっていきました。なんこうの名前の由来として、江戸時代の時刻と方位などに照らし合わせ、午(うま)は昼九つ、方角上は南向きとなるので「南向」と呼ばれるようになりました。
「かやき」はもともと大きな貝殻を鍋代わりとし、季節の魚や野菜などを味付けした出汁で煮込んだものです。秋田県の内陸部では貝を利用しない鍋料理もかやきと呼びます。季節によって食材が変わるので様々な味を年間を通して楽しむことができます。馬かやきとは馬肉とこんにゃくなどを煮たもので、馬肉鍋、馬肉の煮込みと呼ぶこともあります。
●食材
馬肉