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- 中身汁(沖縄県)
テーマ
郷土料理、減塩
2024年03月01日 UP
食塩相当量(1人分)
1.8g 減塩率24%(対伝統レシピ)
うま味調味料ポイント!
◉第8回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2023 SDGs賞
材料5人分
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干ししいたけ
6g
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低核酸系うま味調味料(A)
3ふり弱(0.26g)
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水(A)
1/2カップ
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中身(豚もつ)
110g
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薄力粉
大さじ1・1/2
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水(B)
1カップ
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低核酸系うま味調味料(B)
8ふり弱(0.76g)
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かつおだし
2・1/2カップ
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粗塩
小さじ2/3
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しょうゆ(薄口)
小さじ1/4
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低核酸系うま味調味料(C)
3ふり弱(0.26g)
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おろし生姜
小さじ1/3
作り方
干ししいたけは、低核酸系うま味調味料(A)を入れた水(A)で戻し、薄くスライスする。
<中身の下処理1>ボウルに中身・薄力粉・少量の水(分量外)を入れ、中身の汚れや脂を取り除くよう、よく揉み込み、薄力粉の白っぽさがなくなるまで、水で洗う。
<中身の下処理2>圧力鍋に②の中身を入れ、ひたひたになる程度の水(分量外)を加えて火にかけ、圧力がかかったら弱火で15分加圧し、火を止め、圧力が下がったら中身をゆでこぼす。
<中身の下処理3>鍋に水(B)・低核酸系うま味調味料(B)・③の中身を入れ、沸騰したら中火で10分加熱し、中身をザルにあげる。
<中身の下処理4>④の中身の粗熱が取れたら、大きな中身は食べやすい大きさに切る。
鍋にかつおだしを入れ沸騰直前まで温めたら、①のしいたけ・⑤の中身・粗塩・薄口しょうゆ・低核酸系うま味調味料(C)を加え、弱火で15分煮込む。
お椀に盛り付け、おろし生姜を添える。
【伝統レシピの調理手順】
③④深鍋に②の中身とたっぷりの水を入れ、ふたをせず、2~3時間ほど柔らかくなるまで茹で、中身をざるにあげる。
⑥鍋にかつおだし・豚だしを入れ沸騰直前まで温めたら、①のしいたけ・⑤の中身・塩・薄口しょうゆを加え、弱火で15分煮込む。
沖縄の郷土料理「中身汁」の特徴 (応募レポートより)
●地域
沖縄県
●食べる機会
沖縄のお正月やお盆、お祝い事、法事のときに食される琉球料理のひとつで、我が家では、お正月とお盆に集まった親族に振る舞う定番料理。
●由来
沖縄の郷土料理は、琉球王朝時代から受け継がれてきた「琉球料理」と、戦後の影響を受けて作られるようになった「沖縄料理」に分類することができます。さらに「琉球料理」は、琉球王朝時代に冊封使や薩摩の役人への振る舞い料理として作られていた”宮廷料理”と、各家庭で生まれた”庶民料理”に分類されます。中身汁は”宮廷料理”のひとつです。
琉球料理には豚肉がよく使われていますが、昔は高価な食材だったため、ほんのわずかたりとも無駄にしないよう、豚のあらゆる部位を料理に活用する工夫が生まれました。丁寧に下ごしらえした中身(豚の内臓)を使用した中身汁も、その工夫から生まれた料理です。
中身汁は、琉球王朝時代の流れをくむ”五段のお取持ち”(昭和初年ころまで那覇や首里の上流家庭の結婚式や生年祭などで振る舞われていた祝い膳で、品数は30数品ほどからなる。)の三の膳に出される料理のひとつでもありました。現在ではお正月やお祝い事などによく作られます。また、レトルトでも販売されるなど、県民に慣れ親しまれている料理のひとつです。
諸外国との交流や親族・地域とのつながりを大切にする心「ウトゥイムチ(おもてなし)」と、材料を丁寧に美味しくなるよう工夫をこらした精神は、琉球王朝時代から500年以上たった今でも、琉球料理とともに受け継がれており、私たちに託された大切な財産となっています。
●食材
中身=豚の大腸・小腸・胃
沖縄では、食材を大切にするという考えから、豚は鳴き声以外すべて無駄なくおいしく食べられるよう、各部位を丁寧に下ごしらえし、様々な料理に用いています。中身もそのひとつであり、中身の汚れや特有の臭みを取り除くためにしっかりとした下処理を行い、すっきりとしたすまし汁に仕上げています。
●参考資料
・外間守善著「沖縄の食文化」
・比嘉淳子著「おきなわ暮らしの雑記帳」
・農林水産省HP「うちの郷土料理」
• 干ししいたけを戻す際にうま味調味料を加えることで、干ししいたけのグアニル酸とうま味調味料のグルタミン酸の相乗効果でうま味を高め、干ししいたけの持ち味を引き立てた。
• 中身(豚もつ)を茹でる際にうま味調味料を加え、中身のうま味を高めた。
• かつおだし(イノシン酸)とうま味調味料(グルタミン酸)の「うま味の相乗効果」により汁のうま味を豊かにした。
上記工夫により、塩分を減らしても、よりおいしくすることができた。