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2004.07.11

うま味座談会

UMAMIの普及を狙いとし、うま味をテーマにMolecular Gastronomyに関する座談会が京都の圓徳院で開催されました。Molecular Gastronomyとは、プロの料理人の調理技術を、科学的な目で解析してみようという試みで、欧米を中心に近年シェフ、研究者、ジャーナリストたちの注目を集めています。

参加者の一人で、積極的に料理に「昆布だし」を取り入れているイギリスのシェフ、ブルメンタール氏は「塩分や脂肪分を抑えることができ、健康的。しかも独特のおいしさと香りを楽しめる」と「うま味」の多面性を強調。京都の老舗料亭「菊乃井」の村田氏は、料理は「理(ことわり)を料(はか)る」と定義し、伝統的に継承されてきた料理の手法を科学的に検証しその必要性を明らかにすることで、より効果的な料理法を見つけることの重要性を主張しました。また、「科学的なデータを示すことで、海外にもうま味など、日本の味の考え方を伝えやすくなる」と話しています。

試食の場面では、京都のイタリア料理店の笹島シェフによる昆布だしを使った“うま味ジュレ”が披露されました。笹島シェフは昆布だしを使うと、よりクリアに素材の味が出ることがわかったりと昆布だしの威力をアピールしました。

座談会の様子は読売新聞、京都新聞、月間専門料理をはじめ海外ではThe Guardian Weekend, FDA Magazine(イギリス)などで紹介されました。


村田吉弘氏、「菊の井」三代目主人、日本


松久信幸氏、オーナー・シェフ、日本


ギャリー・ピーチャム博士、モネル化学感覚研究所所長、アメリカ


ヘストン・ブルメンタール氏、「The Fat Duck」オーナー・シェフ、イギリス


エドモンド・ロールス教授、オックスフォード大学、イギリス


笹島保弘氏、「イル・ギオットーネ」オーナー・シェフ、日本