最新のコンテスト【企画概要】ページは下記よりご覧ください。
塩分の摂り過ぎは、高血圧の原因となり脳血管疾患を引き起こすリスクを高めるため、減塩は非常に重要です。減塩は中高齢者に限らず若い時期から、生活習慣の改善として取り組むべきテーマです。使用する塩を減らすだけの単純な減塩は、料理の美味しさを損ない、減塩=美味しくない印象を与え、減塩に取り組む意欲を減退させますが、うま味調味料は、美味しさを損なわず減塩部分をうま味で補完する効果を期待できます。
現代人は、塩分を体外に排出するカリウムを多く含む野菜の摂取が不十分で、特に根菜類の摂取量は生食野菜に比べ少ないと言われています。里芋の下茹でにうま味調味料を使用したところ柔らかさやホクホク感が大幅に向上し、里芋の長所を大きく引き出しました。椎茸についても同様でした。このことから野菜の美味しさを伝え、積極的な摂取を勧める上で、うま味調味料は効果的であると思います。
根菜類を多く使用する郷土料理ですが、醤油や塩を多用するので、減塩の観点では好ましくないところがあります。うま味調味料は、これらの問題解決に効果を発揮し、現代人の無理のない持続可能な減塩をサポートするのではないかと思います。
- 江戸時代の倹約政治により、贅沢品とされた具材をごはんにうずめて(隠して)食べたことが名前の由来であるという、独自性のある食文化を、健康的に伝承する一助となる提案です。
- 里芋の下ゆでや、殻付きの小エビの下ごしらえに、うま味調味料を活用する工夫が興味深いです。うま味の力によって、素材それぞれのおいしさを引き出しています。
- うま味調味料を使用し、野菜のおいしさを引き出すことによって、不足しがちな若者の野菜摂取量を増やすことができる可能性に言及している点が評価できます。
- 調理が簡単で、「うずめる」食文化の楽しさは、次世代の若者にもフィットすると考えられます。だれもが喜ぶごちそうごはんメニューを、うま味調味料の活用により、おいしい減塩につなげました。
- 小えびのうま味をより活かすため、うま味調味料をふってしばらくなじませてから、頭と殻を付けたまま、だし(いりこ)でゆでることによって、だしに小えびのうま味をしっかりと移しました。
- 醤油のうま味を生かすために醤油は減らさず、塩を減らし、それによって生じる味の物足りなさを、うま味調味料で補いました。
- 小えびの生臭さを取り除くために、殻付きの小えびにうま味調味料をふって、しばらく置いてなじませてから、だしでゆでました。
- 芋類の中でも比較的家庭における使用頻度が低い、里芋のおいしさを次世代に伝えるため、里芋のおいしさを引き出すことを考え、下ゆでの際にうま味調味料を活用しました。
A 伝統レシピ |
B 減塩レシピ |
C <うま味調味料活用>減塩レシピ |
||||
材料名 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 |
小えび(殻付き) | 25g | - | 37.5g | - | 37.5g | - |
里芋 | 30g | - | 30g | - | 30g | - |
しいたけ | 10g | - | 10g | - | 10g | - |
しめじ | 20g | - | 20g | - | 20g | - |
人参 | 8.75g | - | 8.75g | - | 8.75g | - |
ごぼう | 8.75g | - | 8.75g | - | 8.75g | - |
油揚げ | 7.5g | - | 7.5g | - | 7.5g | - |
絹ごし豆腐 | 25g | - | 25g | - | 25g | - |
いりこだし | 175g | 0.1g | 175g | 0.1g | 175g | 0.1g |
しょうゆ | 4.5g | 0.72g | 4.5g | 0.65g | 4.5g | 0.65g |
みりん | 4.5g | - | 4.5g | - | 4.5g | - |
藻塩 | 0.75g | 0.74g | 0.5g | 0.5g | 0.5g | 0.5g |
うま味調味料 | - | - | - | - | 0.3g | 0.09g |
ごはん | 75g | - | 75g | - | 75g | - |
三つ葉 | 0.25g | - | 0.25g | - | 0.25g | - |
もみのり | 0.12g | - | 0.12g | - | 0.12g | - |
TOTAL塩分 | - | 1.56g | - | 1.25g | - | 1.34g |
減塩率 | - | - | - | 20% | - | 14% |
- 殻付きの小えびにうま味調味料を振って混ぜ、しばらく置く。
-
小えび以外の材料の下ごしらえをする。
里芋は皮をむいて1cm角に切り、うま味調味料を加えた湯で下ゆでする。
しいたけは1cm角、人参は8mm角に切る。しめじは1cm幅に切る。ごぼうはささがきにして、水にさらし、水気を切る。
油揚げは熱湯を回しかけて油抜きをし1cm角に、豆腐も1cm角に切る。 - 鍋にいりこだしを入れ、1の小エビを殻付きのまま加え、さっと煮た後取り出し、頭を取り殻をむく。
- 3の鍋に、下ごしらえした野菜を火の通りにくいものから順に入れ、柔らかくなるまで煮、さらに油揚げ、豆腐を加える。
- 3の小えびを4の鍋に加え、醬油、みりん、藻塩、うま味調味料を加え、ひと煮立ちさせる。
- 器に盛り、ごはんでうずめ、三つ葉ともみのりをのせる。
地元で生産された農産物や魚介類等は安くて新鮮です。地元の生産者との結びつきを深め、地域活性化に繋がります。また食材の旬を知り、地域の食文化を見直すきっかけになります。
元は、贅沢品を埋めて食べていた「うずみ」の歴史を伝えつつ同時に、お宝やお楽しみを埋め、和・洋・中、スイーツ、日々の食事に、季節を問わずアレンジして楽しみながら、地域の食文化や食に関する様々な問題について関心を持つことにつながれば良いと思います。