うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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郷土料理コンテスト結果発表

後援:日本栄養士会・農林水産省

 私たちは、石狩鍋を次世代に伝えるにあたり、メイン具材の鮭には、たんぱく質、ビタミンD、必須脂肪酸、美肌効果が期待されるアスタキサンチンなどが多く含まれている点を推したいと思います。加えて、野菜に含まれるビタミンや食物繊維などの栄養素が寒い季節を乗り越える手助けをしてくれます。
 そして、石狩鍋の魅力は手軽に作ることが可能です。特に若い世代には、鍋パーティーでシェアして欲しいという思いがあります。もし、北海道を出た人たちが集まるのであれば、故郷の話などをしながら楽しく石狩鍋を食べてもらいたいです。

 郷土料理の伝承を考える際には、使われる食材の供給が将来的にも持続可能であるか、現代の状況に即しているかなどを考える必要があると思います。現代の状況としては、子どもなど若年者にも支持される料理であることも重要ですが、その料理が人々の生活に果たす役割も考えていくことが大切と考えました。
 そこで私たちは、現代でも北海道で一般的に食されている石狩鍋をうま味調味料の機能の活用により、災害食へ応用することを試みました。その結果、生鮭と生椎茸をそれぞれ保存の効く鮭とばと干し椎茸に替えて減塩しても、うま味調味料があれば、十分な美味しさを得られることがわかりました。
 災害時には水の使用ならびに食料や調理方法の選択が限られることから、食塩摂取量が多くなりやすいなどの問題も生じます。よって、災害時において減塩は重要であり、本レシピでは、うま味調味料が災害時においても役立つことを明らかとなりました。郷土料理は地域で知られているものが多いため、今後、うま味調味料の活用により、それぞれの地域の郷土料理を災害食に応用できる可能性があると思います。

  • 鮭とばや干ししいたけを使って、災害時にも提供できる減塩石狩鍋として工夫した点が、今までにない発想でとても興味深いです。
  • 長期保存可能な鮭とばを材料に用い、鮭とばの下ごしらえにうま味調味料を活用してうま味を補うという、独自性のある工夫をしています。
  • 災害時の食という、今後を見据えた視点から、伝統的な郷土料理を末永く残していこうという気概が感じられました。
  • 災害が起きた時こそ、共食が大切であり、家族が団欒できる郷土料理の必要性を考えた、郷土愛にあふれたレシピである点が評価できます。

  • 災害食にもなる石狩鍋の提案を目指し、生鮭の代わりに、乾物で保存のきく鮭とばを使用しました。鮭とばの表面の古くなった油分を取り除くために水洗いをし、その際に失われたうま味を、うま味調味料で補いました。

  • 災害時は、調味料や材料が十分にないことも想定されるため、家庭に常備されている味噌と、手に入りやすく多くの家庭にあるうま味調味料で、手軽に作れることを目指しました。常温で衛生的に品質を保つことのできるうま味調味料の利便性を広めたいと考えました。

A
伝統レシピ
B
減塩レシピ
C
<うま味調味料活用>減塩レシピ
材料名 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分
生鮭 75g 0.08g
鮭とば 14g 0.5g 14g 0.5g
うま味調味料 0.2g 0.06g
じゃがいも 30g 30g 30g
キャベツ 60g 60g 60g
大根 30g 30g 30g
人参 20g 20g 20g
こんにゃく 20g 20g 20g
木綿豆腐 40g 40g 40g
長ネギ 7g 7g 7g
生しいたけ 5g
干しいたけ 3g 3g
昆布だし 200g 0.4g 100g 0.2g 100g 0.2g
干ししいたけの戻し汁 100g 100g
5g 5g
淡色辛味噌 20g 2.48g 10g 1.24g 10g 1.24g
TOTAL塩分 2.96g 1.94g 2g
減塩率 34% 32%

  1. 干ししいたけは、ぬるま湯に1時間ほど浸して戻す。
  2. 鮭とばは、表面についている油分などを取り除くために水洗いし、クッキングペーパーで表面の水をふいてから、うま味調味料をふり、しばらくなじませておく。
  3. じゃがいもとキャベツは乱切り、大根と人参はいちょう切り、こんにゃくは薄切り、ねぎは斜め切りにし、豆腐は水気を切り一口大に切る。生しいたけと戻した干ししいたけは、薄切りにする。
  4. 鍋に昆布だしと干ししいたけの戻し汁を入れ、鮭とばと酒、人参、大根を加えて火にかけ、煮る。
  5. 煮立ったら、ネギ以外の残りの具材を、火の通りにくいものから順に加えて煮る。
  6. 火が通ったら、味噌を溶かし入れ、ネギを加える。