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今、糖質ダイエット、糖質抜きの食事が当たり前のように広がり、ご飯は食べてはいけないような風潮があり、ご飯を食べる人や量が減ってきました。昔から日本人にとっての主食は米であり、米の栄養価は炭水化物だけではなく、たんぱく質も適度にあり、悪者ではありません。糖質は脳にとって欠かせない栄養素でもあります。また食料自給率が低下している中、主食用米の自給率は100%で、国内生産だけで消費をまかなう事が出来る唯一の作物です。
どの世代にも好まれ、五感を刺激する味噌やごはんの焼ける香ばしい香りや音、味覚(味噌・ごはん・日本の味)、視覚(わらじ型の面白さ)、手にもって食べられる面白さを伝えていきたいと思いました。
郷土料理はその地域の大切な食文化です。それが時代と共に年々影を潜めるようになってきました。健康志向や忙しくなる傾向から、生活の仕方も変わってきました。うま味調味料を加えるだけで美味しく減塩、忙しい人のためにはご飯は時間がある時に形を作ることで冷凍保存でき、幼児、高齢者、食の細い人、アレルギーのある人のおやつとしても活用できます。昔から日本人にとっての主食は米であり、味噌は日本を代表する発酵食品および保存食です。この二つの食材を使った五平餅は今回の味覚評価でも多くの人が「なつかしい!!」と言っていましたが、少し前まで当たり前の様に食べられていた味です。ご飯と味噌、この素朴な組み合わせは日本人にも世界の人にも日本を代表するフードとして食べて欲しい味、次世代に受け継いで欲しい愛される郷土食だと改めて感じました。
また、うま味調味料は減塩だけでなく、素材の味を引き出す働きがあるように感じました。ごはんの持つ甘さが引き出され、よりご飯が美味しく感じました。一緒に炊き込むことで美味しいご飯になり、おにぎりやすし飯などでは塩や砂糖の減量ができ、米を炊く時のうま味調味料の一振りは手間いらずでとてもおすすめです。
- 行事食という側面も持ちながら古くから食べ継がれてきた、伝統ある郷土料理ですが、五平餅の料理の特性を踏まえ、現代にこそ必要な料理であるという視点、提案が印象的です。
- 伝統的なみそだれの味噌と砂糖の割合を変えずに減塩するというこだわりから、伝統的な郷土の味を次世代に伝えたいという強い思いが感じられました。
- 調理道具やライフスタイル、健康問題などを踏まえた豊富なアレンジのアイデアが秀逸です。さまざまな対象者に受け入れられそうな工夫が随所に見られました。
- すり鉢ですりつぶす工程の代わりに、市販の加工品(クルミやごまのパウダー等)を活用するアイデアや、オーブントースターの使用など、現代の調理事情を踏まえた提案は、次世代でもトライしやすいと考えます。
- お米を使った郷土料理ですが、近年問題となっている血糖の上昇やダイエットにも配慮し、冷めても美味しく食べられる五平餅の特徴を生かした食べ方提案をしている点も評価できます。
- うま味調味料をごはんを炊くときに使用し、ごはんの甘味とうま味を引き出すアイデアが新鮮です。みそだれにも活用することで、五平餅としてのおいしさアップと大幅な減塩に成功、味覚評価(総合評価)を高めた点が素晴らしいです。
- 伝統的なみそだれの味を伝えたいという思いから、豆味噌と砂糖の割合(味噌2:砂糖3)は変えずに、くるみ、ごま、生姜の味が邪魔をせず、どこまで味噌と砂糖を減らせるかを繰り返し試作し、味噌と砂糖を1/2まで減らすことができました。
- 伝統的なみそだれよりも、味噌と砂糖を半量に減らし、うま味とコク、甘味、塩味を補うため、うま味調味料を加えてみました。よりうま味が増し、コク、甘味を感じ、塩味を補うことができました。
- ごはんを炊く時に、うま味調味料を入れることにより、ごはんの甘味とうま味をさらに引き出すことが出来ました。みそだれを付けず、ごはんを焼いただけでも美味しく食べられました。おにぎりを作る時などにも、うま味調味料入りごはんは大活躍できそうです。
- 伝統的なレシピでは食塩相当量が2.2gで日本人の1日の食塩摂取量の1/3量(厚生労働省目標値:男性7.5g未満 女性6.5g未満)を取ってしまいます。しかしうま味調味料を利用して減塩することによって、もう1~2品おかず(主菜・副菜)を食べることができ、栄養バランスの良い食事になります。
- 今ではすり鉢がない家庭が多く、なかなか家で作るのは難しいと思われがちですが、くるみやごまはすりつぶした粉末状のものが、生姜はチューブに入ったすりおろしがスーパーで市販されていて手軽に購入でき、みそだれも作り置きができます。
- 魚を焼くグリルやオーブンがない場合は、フライパンにアルミ箔やオーブンシートを敷いて焼くと綺麗に焼けます。また小さく作った物はオーブントースターでも焼くことができます。
- 五平餅のごはんは、時間がある時にたくさん作って冷凍保存ができるので、忙しい子育て世代や独身の方でも、無駄なくいつでも食べることができます。平均的な五平餅のサイズで作ると焼くのにも、冷凍するのも、家庭によっては難しいかもしれませんが、小さめに丸めておけば幼児や高齢者、食の細い方、小麦アレルギーの方のおやつとしても最適です。
- 朝食抜きが問題になっていますが、ごはんと味噌の組み合わせの五平餅は朝食としても手軽に食べられるます。焼きたての五平餅がお勧めですが、冷めても美味しく食べられます。冷めたごはんはでんぷんのレジスタントスターチの量が増え、糖の吸収が抑えられると言われています。血糖の上昇やダイエットを考える食生活のスタイルにも適していると思いました。
A 伝統レシピ |
B 減塩レシピ |
C <うま味調味料活用>減塩レシピ |
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材料名 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 |
米 | 90g | - | 90g | - | 90g | - |
うま味調味料(A) | - | - | - | - | 0.1g | 0.03g |
水 | 135g | - | 135g | - | 135g | - |
豆みそ(八丁みそで代替可) | 20g | 2.2g | 10g | 1.1g | 10g | 1.1g |
砂糖 | 30g | - | 15g | - | 15g | - |
くるみ | 5g | - | 5g | - | 5g | - |
炒り白ごま | 3g | - | 3g | - | 3g | - |
しょうが(すりおろしておく) | 2g | - | 2g | - | 2g | - |
酒 | 4g | - | 4g | - | 4g | - |
水 | 8g | - | 8g | - | 8g | - |
うま味調味料(B) | - | - | - | - | 0.2g | 0.06g |
TOTAL塩分 | - | 2.2g | - | 1.1g | - | 1.19g |
減塩率 | - | - | - | 50% | - | 46% |
- 炊飯器に米とうま味調味料(A)、水を入れてごはんを炊き、熱いうちにつぶす。
- ❶を丸めて串に刺し、小判型に形を整える。
- すり鉢でくるみ、ごまをよくすり、豆みそ、砂糖、酒、すりおろしたしょうが、うま味調味料(B)、水を加え、混ぜる。
- ❸を鍋に入れ、火にかけ練りあげる。
- ❷を魚焼きグリルやフライパンなどできつね色に焼く。
- ❺に❹のみそだれをつけて魚焼きグリルなどで軽く焼く。