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「さつま」は古くから、瀬戸内海沿岸部や島々で商品価値の低い小魚と、どの家庭にでもある味噌を使い作られていた経済的な郷土料理です。
魚は、DHAやEPAなどを豊富に含み、積極的な摂取が推奨されています。小魚をこんがりと焼いてほぐし、火で炙り焦げ目をつけた味噌とゴマをたっぷり加えて作る「さつま」は、とても香ばしく食欲をそそり、魚の栄養をたっぷり摂取できます。地元の安くて新鮮な様々な魚で作ることができ、魚の美味しさの違いを知ることができます。「さつま」を通して、瀬戸内海の恩恵を享受して生活していることや地球温暖化で海の生態系が変化していることなどを学ぶ良い機会になると思います。
「さつま」の伝統レシピでは、味噌と香味野菜の小ネギがたっぷり使われています。濃い味付けで白飯がすすむ味付けですが、使用した味噌の量が多く、小ねぎの苦味も強く出ていました。「うま味調味料」にはうま味をプラスする以外にも様々な効果があることはあまり広く知られていません。減塩のために「①魚の生臭さを取り除く効果 ②魚のうま味を強め、しっとりした食感にする効果 ③出汁のうま味を補う効果 ④野菜の苦味・えぐみを緩和する効果 ⑤野菜の甘みや風味を引き立てる効果 ⑥料理の仕上げに味を調える効果」を取り入れました。「うま味調味料」を食材の下処理や調理に使用することで、大幅な減塩をしながら素材本来の美味しさを引き出すことができました。
若い頃からの食習慣として減塩を身につけておくと、年齢を重ねてから急に減塩に取り組むより容易なので、濃い味でなくてもうま味で美味しく食べることができます。「うま味調味料」を上手に活用することで、次世代を担う子供たちに、生活習慣病などを心配することなく、自分たちの暮らす地域で先祖代々受け継がれた郷土料理を将来の豊かな食生活につながるような形で伝えていけるのではないかと思います。
- 魚の骨もだしに活用し、小骨ごとよく擦っていただくなど、魚を余さずおいしく食べるさまざまな知恵が詰まっており、郷土料理として伝えていきたい料理です。コンテストを通じて認知が広がることを期待します。
- 「さつま」という名前の由来や、語り継がれている多様性のあるエピソードも興味深いです。
- 焼いてすり身にすると食べやすくなるという点は次世代にも受け入れられると思われます。
- 魚を擦るときにフードプロセッサを使う等、簡単調理の視点もあるとさらに良かったと思います。
- 魚の生臭さを除くためにうま味調味料を加えた水で洗ったり、こんにゃくの下ゆでに使ったりと、様々な使い方がとても面白いです。特に魚の生臭みを除くうま味調味料の活用法は、塩を使わずに臭みを抜くことができて、減塩にもなり、幅広く使える知恵と感じました。
- 調べて記述した部分について、出典を示していたところも良かったと思います。
- 伝統レシピは、魚やこんにゃくの生臭さを料理の味付けを濃くすることで抑えていますが、うま味調味料を使用しながら、味噌の使用量をぐっと抑えることで、食材の生臭さを消しつつ、おいしく減塩することができました。
- 魚の骨でだしを取る時に、うま味調味料を加えることで、だしのうま味を引き出し、減塩に活かしました。
- 魚の生臭さを取り除くために、うま味調味料を入れた水で魚を洗い、魚の下味にうま味調味料をふって焼きました。魚が苦手な子供たちにも食べやすくなったと思います。
- こんにゃくの生臭さを取り除くために、うま味調味料を入れて下ゆでし、煮るときにも加えました。
- 若い時からの食習慣として減塩を身につけておくと、年齢を重ねてから急に減塩に取り組むより容易なので、味付けを濃くしなくてもうま味で美味しく食べられるようにレシピを工夫しました。
- こんにゃくを煮るときの調味からしょうゆを抜きました。
A 伝統レシピ |
B 減塩レシピ |
C <うま味調味料活用>減塩レシピ |
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材料名 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 |
鰺(可食部) (*鯵の骨もとっておく) |
60g | - | 60g | - | 60g | - |
みそ | 20g | 2.4g | 12g | 1.44g | 12g | 1.44g |
炒りごま | 24g | - | 24g | - | 24g | - |
こんにゃく | 40g | - | 40g | - | 40g | - |
小ねぎ | 20g | - | 20g | - | 20g | - |
みりん(だし取り用) | 3.6g | - | 3.6g | - | 3.6g | - |
酒(だし取り用) | 3g | - | 3g | - | 3g | - |
しょうゆ(こんにゃく用) | 1.2g | 0.18g | - | - | - | - |
みりん(こんにゃく用) | 1.2g | - | 1.2g | - | 1.2g | - |
酒(こんにゃく用) | 1g | - | 1g | - | 1g | - |
うま味調味料 (6回に分けて使用) |
- | - | - | - | 0.7g | 0.21g |
TOTAL塩分 | - | 2.58g | - | 1.44g | - | 1.65g |
減塩率 | - | - | - | 44% | - | 36% |
- 鯵はボウルでうま味調味料(1ふり)を溶かした水で洗い、水気をふいてから、さらにうま味調味料をふって(1ふり)焼く。焼き上がったら身と骨に分ける。
- 鍋に鯵の骨、みりん、酒、うま味調味料(1ふり)、ひたひたの水を加えて火にかけ、沸騰したら弱火で約1〜2分煮出し、だしを取る。
- その他の材料の下ごしらえをする。
味噌はアルミホイルに塗って焦げ目がつくまでグリルで焼き、ごまはフライパンでさっと煎ってすり鉢でする。
こんにゃくはうま味調味料(1ふり)を加えた湯で、茹でてアク抜きをし、3cmの短冊に切る。ねぎは小口切りにする。 - 鍋にこんにゃくを入れて火にかけ、だし、みりん、酒、うま味調味料(1振り)を加えて水分を飛ばし、水分が飛んだら火を止めて冷ます。
- すり鉢にほぐした魚の身を入れ、しっかりする。
- ❺にみそ、うま味調味料(2ふり)を加えて混ぜ、❷のだしを少しずつ加え、ほどよい固さになるまでのばす。
- ❻が冷めたらこんにゃくとねぎを加えて混ぜ、さつまの出来上がり。
- 器に温かいご飯をよそい、上にさつまを乗せる。
※伝統レシピには、海田町HPより「郷土料理海田町 さつま」レシピを使用