うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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笹ずしの魅力は、笹の葉の彩り・香りの良さと具材を嗜好等にあわせて自由に工夫できる点です。まず、笹ずしは、笹の葉の緑色、錦糸卵の黄色、紅しょうがの赤色の3色が含まれている彩り豊かな料理に仕上がるため、若い世代の方もお祝い事等に一度は作ってみたいと思う魅力があるのではないかと考えます。また、笹の葉の香りの良さにより減塩しても満足感を得ることができます。笹ずしは、子どもと一緒に調理をする等簡単に作る場合は、錦糸卵ではなく炒り卵に変更する、ビーガンやベジタリアンの方に食べてもらうためには卵を使わない等、少し工夫するだけであらゆる方においしく味わっていただける料理になります。

すし飯は、炊飯する際にうま味調味料を加える方法とすし酢にうま味調味料を加える方法の2つを検討し、より効果が感じられた後者を採用しました。関西地方では『寿司用のめしを炊くときに昆布を加えて炊く』という記述が文献にあったため、昆布の代わりにうま味調味料を活用することで簡易的に同様の効果を得ることができたのではないかと考えます。私たちの提案レシピでは、すし飯で約50%の減塩に成功しており、笹ずし以外のすし飯への応用も可能と考えています。その他、本コンテストに向けてレシピを検討する中で、すし飯の老化を防止するためにうるち米ともち米を混ぜて炊く、笹の葉の防腐効果を利用するという先人の知恵を発見しました。 本コンテストを通して、地元の自然の恵みを利用したおいしい笹ずしを国内はもとより、海外の方にも伝え、より身近な郷土料理だと感じていただきたいと考えています。

  • 笹の葉の利点に着目した戦国時代から伝わる郷土料理で、現在でも、もてなし料理や大勢での会食の場に登場する料理である。食材は地域特性から、植物性のものが中心であることから、海外にも伝えたいという思いがこもっている。異なる食文化をもつ人達にも受け入れられる可能性のある郷土料理。(鎌倉女子大学 中谷弥栄子先生)
  • 笹寿司は、長野県の選択無形民俗文化財、飯山市の選択無形民俗文化財に指定されている郷土料理であり、その減塩レシピを検討した点は評価する。(長野県立大学 中澤弥子先生)
  • 参照資料が多く、深く掘り下げられていて多角的にその料理を知ることができる。(女子栄養大学出版部「栄養と料理」浜岡さおり編集長)
  • 郷土ずしは数多くあるが、香りと保存効果があると思われる笹を使用していて、それを活かして現代的にアレンジしている。くるみが入っていることに、地域性を感じた。(㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」米村望編集長)
  • 笹の葉、すしめし、植物性の具、という伝統的なベースをきちんと守っている。箸を使わず口をつけて食べる風習をふまえ、紅しょうがは奥に盛られている。材料や味つけだけでなく、盛りつけ方も伝承性を考えて作られている。(㈱オレンジページ「オレンジページCooking」藤井裕子編集長)
  • 笹の葉の香りを減塩に役立てた。食材を工夫することにより、ビーガンやベジタリアンでも喫食出来る可能性が生まれた。笹の葉が入手できないときには、クッキングシートによる代用が可能であること。錦糸卵をいり玉子にしたことにより、子どもと一緒に料理する楽しみが生まれた。(中谷先生)
  • より調理を簡単にするため、しいたけとゼンマイを一緒に調理する方法を検討するとよいかもしれない。錦糸卵の代わりに炒り卵でもよい点は子ども達との調理などで望まれる工夫と思う。(中澤先生)
  • 多様な食スタイルに合わせた提案。笹の葉の代用品の提案。視野の広さが好感。元来の特徴と現代の食の価値観との一致を発見している点。調理法の検討もよい。全体的にバランスがいいレポート。SDGsへの配慮あり。(浜岡編集長)
  • 箱ずしから固めないすしへ転換している。レシピ的には、全世代に好まれる味であるように感じた。(米村編集長)
  • ビーガン、ベジタリアンの方を意識している点。今後のニーズを見据えていてとてもよい。笹ずしのよさに「映える」というポイントを挙げている点、「子どもといっしょに作るなら」というコメントで若いお母さんを想定している点もすばらしい。アピール点が時流をとらえていていまどき。チーム名「なっちょ」の由来もよいと思った。「どうですか?」という提案をするときの長野県の方言とのこと。(藤井編集長)
  • おいしい減塩笹ずしとして評価できる。(日本栄養士会会長 中村丁次先生)
  • 寿司飯の炊飯時にうま味調味料を入れるのではなく、効果が感じられるようにすし酢にうま味調味料を加えた。うま味調味料の使用により、食材の持ち味が引き出され、おいしく減塩することが出来た。食材によりうま味調味料を使い分け、食材のもつおいしさを際立たせている。(中谷先生)
  • すし飯、錦糸卵、しいたけの煮物は1/2の減塩、ぜんまいの煮物は、1/3の減塩をうま味調味料の活用で検討し、伝統レシピより塩味のまろやかさや味のバランスで高評価が得られた。(中澤先生)
  • 特徴の異なるうま味調味料を使い分け、また効果的に使っていると思われる。すし飯をおいしく減塩するための「すし酢に添加する方法」の発見は興味深い。(浜岡編集長)
  • 酢飯をつくる際のうま味調味料の使い方を2通り試して、検証している。一般的にはなかなか難しいが、うま味調味料も2種類使い分けている。(米村編集長)
  • うま味調味料を合わせ酢に入れている点。米を炊くときに加えることときちんと比較、検討している点がよい。(藤井編集長)

  • すし飯は、炊飯する際にうま味調味料を加える方法と、すし酢にうま味調味料を加える方法を検討し、より効果が感じられた「すし酢に添加する方法」を採用した。
  • うま味調味料を加えることで、各食材の甘味等、持ち味が引き出され塩味がまろやかになったことで、甘味・塩味・うま味のバランスが向上し、おいしさを損なわずに減塩することができた。

  • 関西地方では『寿司用の飯を炊くときに昆布を加えて炊く』という手法があり、昆布の代わりにうま味調味料を活用することで簡易的に同様の効果を得るよう工夫した。

  • しいたけは、加える醤油の量を伝統的なレシピの2/3、1/2、1/3量で調理した。その結果、2/3量では味が濃く感じられ、他の食材よりも塩味が際立ってしまったが、1/3量ではしいたけの甘味が強くなり、塩味やうま味とのバランスが悪くなってしまった。そのため、醤油の量は伝統的なレシピの1/2量とすることにした。
  • ぜんまいは最初にごま油で炒め、仕上げに白ごまもふりかけることで、コクが出るようにした。
  • 錦糸卵の代わりに炒り卵にしても彩り良く、より簡単に笹ずしを楽しむことができる。

A
伝統レシピ
(1人分)
B
減塩レシピ
(1人分)
C
<うま味調味料活用>
減塩レシピ
(1人分)
C
<うま味調味料活用>
減塩レシピ
作りやすい分量
(4人分)
材料名 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分 配合
うるち米 118g 118g 118g 472g
もち米 12g 12g 12g 48g
155g 155g 155g 620g
米酢 16g 16g 16g 64g
砂糖 5g 5g 5g 20g
2.75g 2.75g 1.4g 1.4g 1.4g 1.4g 5.6g(小さじ1弱)
うま味調味料(低核酸系) 0.4g 0.12g 1.6g(16ふり)
干ししいたけを戻したもの 30g 30g 30g 120g
しいたけの戻し汁 200g 200g 200g 300g
砂糖 4g 4g 4g 16g
濃口醤油 4.8g 0.7g 2.4g 0.3g 2.4g 0.3g 9.6g
うま味調味料(低核酸系) 0.14g 0.04g 0.56g(5〜6ふり)
ぜんまいの水煮 25g 25g 25g 100g
ごま油 1g 1g 4g(小さじ1)
適量 適量 適量 適量
濃口醤油 2.5g 0.4g 0.75g 0.1g 0.75g 0.1g 3g(小さじ1/2)
砂糖 2.25g 2.25g 2.25g 9g(大さじ1)
うま味調味料(高核酸系) 0.05g 0.015g 0.2g(2ふり)
白ごま 0.25g 0.25g 1g
15g 0.1g 15g 0.1g 15g 0.1g 60g(1個)
砂糖 1.5g 1.5g 1.5g 6g
0.3g 0.3g 0.15g 0.15g 0.15g 0.15g 0.6g
うま味調味料(低核酸系) 0.04g 0.012g 0.16g(1〜2ふり)
くるみ 2g 2g 2g 8g
紅しょうが 2g 0.1g 2g 0.1g 2g 0.1g 8g
TOTAL塩分 4.35g 2.15g 2.337g
減塩率 51% 46%

※上記の表は左へスワイプしてご覧ください。

  1. 米ともち米を混ぜ、洗って分量の水に1時間浸けておき、炊く。
    酢、砂糖、塩、うま味調味料(低核酸系)を混ぜて、合わせ酢を作る。
    炊きあがったご飯をボウルに移し、合わせ酢をふりかけ切るようにして混ぜる。
  2. 干ししいたけは水で戻し軸をとる。鍋にしいたけが浸るくらいの量の戻し汁を入れて煮る。戻し汁が半量になったら砂糖を加え、煮汁が少なくなったら醤油、うま味調味料(低核酸系)を加えて煮汁がなくなるまで煮る。
  3. ぜんまいの水煮は下茹でしてから2㎝幅に切り、水気を切ってごま油で炒める。
    水、醤油、砂糖、うま味調味料(高核酸系)を加えて煮汁がなくなるまで煮て、仕上げに白ごまを加える。
  4. 卵は砂糖、塩、うま味調味料(低核酸系)を加えて味付けし、薄く焼いて、錦糸卵にする。
  5. くるみと紅しょうがは適当な大きさに刻む。
  6. 笹の葉の表側にすし飯をのせ、その上に手前から錦糸卵、ぜんまい、しいたけ、紅しょうがをのせ、その上にくるみをのせる。

※うま味調味料を加えるところと、ぜんまいをごま油で炒めて仕上げに白ごまをふるところ以外は伝統的な作り方も手順は同じ。