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乾燥そら豆で作るしょうゆ豆は普通の煮豆と違い、炒ってから煮ることで、口の中でポロッと砕ける食感が楽しめる料理です。豆の香ばしさと醤油の風味が良く、低脂肪で、食物性タンパク質やミネラルを豊富に含み、栄養的にも優れています。
しかし、家庭から焙烙やかまどが姿を消し、調理が難しくなったことや、味付けが濃く塩分濃度が高いことから、しだいに敬遠されるようになってきました。
美味しく減塩し、調理するポイントを押さえることで、世代を問わずに好まれるしょうゆ豆をつくり、次世代へ伝えていきたいです。
冷蔵庫やエアコンのない時代に、保存食として工夫して作られ続けてきたしょうゆ豆は、糖分、塩分ともにやや高く味が濃い郷土料理です。それを美味しいと感じ食べ慣れてきた私たちですが、健康維持のためにも、時代に合わせて作り方や味を変えていかなければいけないと感じていました。そこで、うま味調味料を活用することによって、美味しく減塩することができました。
「不易と流行」の言葉通り、変えてはいけないこと、変えなければいけないことを取り入れ、うま味調味料の活用で、よりよい形で未来の子どもたちに香川の郷土料理を残していくことができると確信しています。
- 炒った豆をつけ込む塩水に使用する塩と、しょうゆを減らして、うま味調味料を加えた。特に、最初のつけ込みに使う塩は、1人分1.4gから0.3gと大幅に減量した。
- しょうゆ豆はシンプルな料理なので、減塩のためにしょうゆを減らすと、味の物足りなさを感じたが、うま味調味料を活用することで、味の深みやまろやかさを付与することができた。
- 出汁をひくには、煮干しや昆布、鰹節を使うのが一般的であるが、うま味調味料を使うと、本来出汁を使わない料理でも、簡単にうま味を加えることができ、簡単に美味しくなって便利である。
- 昔は焙烙でソラマメを炒っていたが今は家庭にないので、フライパンやスキレット、オーブンを使うことが可能であることを確かめた。
- 減塩すると薄味になるので、美味しくするために、生姜を加えて風味を増すように工夫した。
- 生姜の風味を消さないように、生姜は2度目の火入れのときに加えた。
- ソラマメを煮るときに、乾燥ソラマメを浸けていた塩水を一部捨てるため、その分の塩分を差し引いて塩分計算をした。
- 伝統的なレシピの中には、唐辛子を使うものもあったが、生姜に変えることで、小さな子どもにも安心して食べさせることができるように工夫した。
- カロリーを減らすために、砂糖の量も減らしたのでヘルシーである。
- 生活習慣病が増えている現代では、減塩や甘さ控えめな料理は、健康寿命を延ばすためにも不可欠である。食べたもので体が作られることを、もっと次世代に伝えていきたい。
A 伝統レシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (1人分) |
C <うま味調味料活用> 減塩レシピ (1人分) |
C <うま味調味料活用> 減塩レシピ 作りやすい分量 (10食分) |
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材料名 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 | 配合 | 塩分 | 配合 |
乾燥ソラマメ | 20g(10個) | - | 20g(10個) | - | 20g(10個) | - | 200g(100個) |
塩 | 1.4g | 1.4g | 0.3g | 0.3g | 0.3g | 0.3g | 3g |
水(ソラマメを浸ける塩水用) | 54g | - | 54g | - | 54g | - | 540g(540cc) |
水 | 15g | - | 15g | - | 15g | - | 150g(150cc) |
しょうゆ | 4.9g | 0.7g | 3.7g | 0.5g | 3.7g | 0.5g | 37g(大さじ2) |
砂糖 | 15g | - | 10g | - | 10g | - | 100g |
生姜の絞り汁 | - | - | 0.5g | - | 0.5g | - | 5g |
うま味調味料 | - | - | - | - | 0.1g | 0.03g | 1g |
捨てる塩水の塩分* | - | -0.5g | - | -0.1g | - | -0.1g | - |
TOTAL塩分 | - | 1.6g | - | 0.7g | - | 0.7g | - |
減塩率 | - | - | - | 56% | - | 54% | - |
*ソラマメを煮るときに、捨てる塩水の塩分を差し引いて計算。
※上記の表は左へスワイプしてご覧ください。
※ ②③の塩水や水の分量は、<作りやすい分量(10食分)>で作る場合の量で記載。
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乾燥ソラマメをフライパンに入れて、中火で30分ほどていねいに炒る。
スキレットやオーブンを使用してもよい(オーブンの場合、190~200℃で約20分焼く)。 - 塩3gを水540mlに溶かし、炒ったソラマメを熱いうちに入れて、室温で一晩浸ける(8時間以上)。
- ❷から塩水を180ml捨てて、鍋に入れ、水150mlを足して、中火にかける。
- 沸騰したら、生姜の絞り汁以外の調味料を、豆の上にのせるようにそっと振りかけて、ふたをして、弱火で煮くずれないように10分煮、そのまま冷ます。
- 冷めたら、ソラマメがくずれないよう、ふたをしたまま鍋を上下に軽く揺することで、煮汁の対流によって、しずかに豆を混ぜる。
- 生姜汁を加えて再び中火にかけ、沸騰したら弱火にして、約10分煮て火を止める。蓋を開けずにそのまま冷ます。