目次
消費者庁より
「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が
公表されました(2022年3月公表)
本ガイドラインは、加工食品の容器包装における食品添加物の不使用表示について、消費者の誤認を招かないよう留意が必要な事項を具体的にまとめたもので、食品表示基準第9条に規定された表示禁止事項に当たるか否かについて事業者が自己点検を行う際のメルクマールとなるものとして、策定されました。
その中で、「化学調味料不使用」表示等、うま味調味料が関係する部分について言及されましたので、ご紹介します。
定点観測調査などの資料はこちら
みんなを惑わせる
「化学調味料不使用(無添加)」表示
「化学調味料」は正しくない名称ってホント?
「化学調味料」は現在、公式には使われていません。
うま味を付与するという特性や、原料・製法について正しく表現する名称ではなかったため行政の統計資料等も「うま味調味料」に変更されています。
「化学調味料」という用語は、1960年代半ばに公共放送の料理番組等で特定の商品名と区別するために使われ始めましたが、現在では、食品表示基準などの行政上の用語としては使われておらず、定義も存在せず、不明確な用語になっています。協会では「化学調味料不使用(無添加)」表示は、あやふやな用語で、皆様に誤ったイメージを抱かせる表示として問題意識を持っています。 また、皆様に正確な情報を伝え、適切な商品選択に役立てることを目的とした食品関連法規の精神・趣旨にも反していると考えます。
「化学調味料」不使用の食品なら安全なの?
あやふやな用語である「化学調味料」不使用と表示のある食品が安全とは限りません。
「化学調味料」不使用や無添加と謳うことで、安全・安心で健康にもよさそう、という誤解を招きかねないと考えます。
日本うま味調味料協会は
うま味・うま味調味料の正しい知識や認識を
持ってもらえるように活動しています
最近、食品メーカーや量販店の商品、外食、宅配メニューなどに「化学調味料無添加(または不使用)」を表示したものを多く見かけます。当協会では、このような状況を、うま味調味料だけではなく、食品添加物への誤解やイメージ低下、ひいては食品全体の健全な発展をさまたげるものと捉えています。うま味・うま味調味料について、正しい知識、認識を持っていただくよう理解促進活動を進めています。
現在、うま味調味料として使われているアミノ酸系のグルタミン酸ナトリウムや核酸系のイノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムのいずれも、食品添加物としての安全性が確認されています。無添加=安全・安心=健康によい、といった誤解を招きかねない見解を前面に打ち出している商品やメニューを見かけますが、このような表示は、(化学調味料)無添加と謳うことで、添加した商品より優れているような誤解を与えかねません(優良誤認)。一般消費者の方々に対して、安全性が確認されている食品添加物についての誤った認識をさらに助長する可能性もあり、好ましくないと考えております。
なお、無添加表示に関しましては、日本食品添加物協会も同様の見解を出しております。(→ 日添協HPリンク )
化学調味料、ということば自体は、1960年代半ばに具体的商標と区別するために作成された用語でした。その当時の、化学万能時代にあってみればこのことばは広く受け入れられるものでした。しかし、以下の様な点で実際のうま味調味料の機能と製造法を反映していないこともあり、1980年代以降“うま味調味料”という名称の普及に努めております。
・化学調味料という表記では、対象食品に5基本味のひとつであるうま味を付与するという製品特性が反映されていない。
・化学調味料ということばの持つイメージにより原料・製法について正確な理解が得られない(さとうきびを原料とし、発酵法で製造)。
1990年に改訂された「日本標準商品分類」(現総務省)や2002年に改定された「日本標準産業分類」(総務省)などの行政用語も化学調味料からうま味調味料に変更されています。
当協会は今後も「うま味調味料」ということばの普及や有用性訴求につとめていきます。
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