宮城県亘理町発祥のはらこ飯は、秋の郷土料理ナンバーワンで、私たちにとっても特別感のある料理です。
使用する食材はサケと米だけですが、サケの旨みを吸ったごはんと、煮汁が染みたサケの切身、煮汁で軽く煮たはらこが贅沢なおいしさです。昔は秋のお祭りやお祝いの席など特別な時に家族や地域の人たちで食されてきました。
今回チーム内で聞いたところ、私たちの世代では食べても年1回、しかも買って食べるものであることが分かりました。次世代の私たちが作りやすい方法を考えることで「作って食べる」機会を増やし、地域の伝統と文化を伝えていきたいと思いました。
また、東北地方の味付けの濃さの改善にも取り組みたいと考えました。
今回のレシピでは、うま味調味料の減塩効果だけではなく、素材の生臭みを抑えたり、食感を向上させたりする効果も活用し、工程も簡単に作れるように工夫しました。
県外出身のチーム員は、はらこ飯という存在は初めて知ったそうで、今回完成したレシピを作ってみて、郷土料理といってもそんなに難しくなく意外と簡単にできる、身近な郷土料理として魅力があると感じたそうです。
新しい方法で「作って食べる」ことにより、手間がかかり味付けが濃いという郷土料理のイメージを覆すことができました。
今回、うま味調味料活用レシピが伝統レシピよりもおいしくなったことに驚きを感じました。
うま味調味料の活用で素材の良さをより一層引き立て、塩分を減らしても味を損なわずに美味しく作れることが分かりました。
うま味調味料は簡単に手に入れることができ、価格もそんなに高くないためこれからもっと普及していくと感じました。
A 伝統的なレシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 2人分 |
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材料名 | 分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 | |
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米 | 112.5g | |||||||
ごはん | 250g | 250g | 500g | |||||
サケ (皮と骨を除いたもの) | 60g | 0.12g | 60g | 0.12g | 60g | 0.12g | 120g | |
[★A]醤油 | 13.5g | 1.96g | 6.75g | 0.98g | 6.75g | 0.98g | 小さじ2・1/2 | |
[★A]酒 | 7.5g | 7.5g | 7.5g | 大さじ1 | ||||
[★A]砂糖 | 2.25g | 2.25g | 2.25g | 大さじ1/2 | ||||
[★A]低核酸系うま味調味料 | 0.3g | 0.09g | 6ふり(0.6g) | |||||
はらこ(いくら) | 20g | 0.46g | 20g | 0.46g | 20g | 0.46g | 40g | |
低核酸系うま味調味料 (はらこがき用) | 0.3g | 0.3g | 6ふり(0.6g) | |||||
[☆B]醤油 | 1.5g | 0.22g | 0.5g | 0.07g | 0.5g | 0.07g | 小さじ1/6 | |
[☆B]みりん | 1.5g | 1.5g | 1.5g | 小さじ1/2 | ||||
[☆B]低核酸系うま味調味料 | 0.3g | 0.09g | 6ふり(0.6g) | |||||
[●C]しょうが汁 | 2.5g | 2.5g | 5g | |||||
[●C]しょうがのみじん切り | 1.5g | 1.5g | 3g | |||||
[●C]高核酸系うま味調味料 | 0.3g | 0.09g | 6ふり(0.6g) | |||||
小ねぎ(小口切り) | 適量 | 適量 | 適量 |
※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。
【参考】:2人分で作ると作りやすい。サケの身やはらこがあまる場合は2人分もしくは1人分の※1,※2を作って、冷凍保存しておくとすぐに作れて便利。(※1は加熱後に煮汁ごと冷凍)
【冷凍後の作り方】
(1)※1を電子レンジで加熱して解凍し、身を取り出す。
(2)電子レンジで煮汁をさらに温め※2を凍ったまま入れて、ばらばらになったら汁をきりながらすくいあげる。
この後は上記作り方と同様。【☆B】と混ぜ合わせる。残った煮汁は取っておく。
(3)耐熱ボウル(皿)に(2)の煮汁とごはん、【●C】を入れて混ぜ合わせ、ラップをかけてレンジ(600W)で1分半くらい加熱する。レンジから取り出して均一になるまでよく混ぜ合わせる。
(4)ごはんを器に平らに盛り、その上に(1)のサケの身をのせ、(2)のはらこを散らし、小ねぎを乗せる。
〈伝統レシピの調理手順〉
①サケは皮や骨を除き、そぎ切りにする。
②鍋に【★A】を煮立て、サケの身を入れ、くっつかないように箸で身をほぐして煮る。煮えたら身をすくい上げて平たい器に広げ、煮汁と分けておく。
③はらこは50~60度の湯の中で静かにほぐし、いくらの状態にする。ザルにとって水けをきる。
④③を①の煮汁に入れて火にかけ、軽くかき混ぜ、煮立ち始めたらざるに上げて汁をきり、【☆B】に漬ける。煮汁は炊飯に用いる。
煮汁に通すことではらこの生臭みが消える。ただし、煮過ぎると硬くなるので注意する。
⑤米は洗ってざるに上げて30分おく。米に2の煮汁と水を入れて炊く。
⑥ご飯を器に平らに盛り、その上に鮭の身をのせ、はらこを散らす。
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