中身汁は、琉球王朝時代に宮廷料理として作られていた料理で、現在は沖縄のお祝い事にかかせない料理となっています。
琉球料理には豚肉がよく使われていますが、昔は高価な食材だったため、豚のあらゆる部位を無駄なくおいしく食べられるよう工夫をしています。丁寧に下ごしらえした中身(豚の内臓)を使用した中身汁も、その工夫から生まれた料理です。
中身汁は、食材を大切にする精神とともに、琉球王朝時代からずっと受け継がれてきました。そんな歴史ある料理を、私も祖母から引き継いで作っていくことで、次世代にも中身汁のすばらしさや美味しさを繋げていきたいです。
中身汁は具材の印象とは違い、滋味深く上品な味わいです。この美味しさを味わうには、中身の丁寧な下ごしらえが必須です。しかし、この手間が家庭で作ることから遠ざかってしまう要因になっています。今回、うま味調味料を活用することで、料理本来の美味しさを損なうことなく、うま味がプラスされ、うま味の相乗効果で塩分を減らせることを知りました。うま味調味料で手間を省くことができるのは、タイムパフォーマンスを重視する現代社会にフィットしており、美味しさを保ちながら塩分を減らせることは、健康寿命を伸ばす重要なポイントです。そして何よりも、郷土料理にうま味調味料が使用されていることは、手軽に作ることができるイメージを持ちやすく、私も作ってみようと思えるようになるかもしれません。
家庭で当たり前のように作られる料理こそ、伝承に繋がっていくものです。そんな料理を導くことに、うま味調味料は一役も二役もかっていくのではないでしょうか。
A 伝統的なレシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 (5人分) |
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材料名 | 分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 | |
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干ししいたけ | 3g | 3g | 3g | 6g | ||||
低核酸系うま味調味料(A) | 0.13g | 0.04g | 3ふり弱(0.26g) | |||||
水(A) | 50g | 50g | 50g | 1/2カップ | ||||
中身(豚もつ) | 55g | 55 | 55g | 110g | ||||
薄力粉 | 6.75g | 6.75g | 6.75g | 大さじ1・1/2 | ||||
水(B) | 100g | 100g | 1カップ | |||||
低核酸系うま味調味料(B) | 0.38g | 0.12g | 8ふり弱(0.76g) | |||||
豚だし | 100g | |||||||
かつおだし | 150g | 250g | 250g | 2・1/2カップ | ||||
塩 | 2.25g | 2.25g | ||||||
粗塩 | 1.56g | 1.48 | 1.56g | 1.48g | 小さじ2/3 | |||
薄口しょうゆ | 0.75g | 0.1g | 0.75g | 0.1 | 0.75g | 0.1g | 小さじ1/4 | |
低核酸系うま味調味料(C) | 0.13g | 0.04g | 3ふり弱(0.26g) | |||||
おろし生姜 | 1g | 1g | 1g | 小さじ1/3 |
※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料を使用。
〈伝統レシピの調理手順〉
③④深鍋に②の中身とたっぷりの水を入れ、ふたをせず、2~3時間ほど柔らかくなるまで茹で、中身をざるにあげる。
⑥鍋にかつおだし・豚だしを入れ沸騰直前まで温めたら、①のしいたけ・⑤の中身・塩・薄口しょうゆを加え、弱火で15分煮込んだら完成。
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