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準優勝

鷹島屋 親子3世代

角寿司(長崎県)

角寿司(長崎県)

受賞者からのコメント

伝えていきたい角寿司

長崎県松浦市鷹島町は玄界灘に浮かぶ小さな島で元寇終焉の地として知られています。島の周りの海域は対馬海流という速い潮流があり、鷹島の「角寿司」はこの海域の荒波で育ったブリ丸1本を使用した贅沢なお寿司です。どこを食してもブリの風味があり極上の味で、見た目の華やかさと上品さにも心踊らされます。ブリ1本を丸ごと使用し手間暇がかかりますが、地元の人はもとより島を離れた人にとっても、懐かしさと望郷の念を掻き立てられる一品です。

鷹島の人口は減少の一途で高齢化も深刻で、その味や作り方を知る人も減りこの伝承が困難となると思われます。この伝統的で島の誇りである「角寿司」を後世に残していきたいと切に願っています。

郷土料理の伝承と
うま味調味料の可能性

今回、このコンテストを通して、地元の郷土料理である「角寿司」の味、容姿の素晴らしさを再認識しただけでなく、歴史的背景など知ることもでき、後世に語り伝えてくれた先人には感謝と尊敬の念を覚えました。また郷土料理は、味覚という五感を介し、地元の景観や音、匂いなどを同時に思い出させ、「懐かしさ」や「癒し」を与えてくれるかけがえのない料理であることを認識しました。

地元の島では、魚を食すことが多く塩や醤油を多用します。そのためか、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病に罹る人が多い印象があります。高齢化が進む中、食生活の改善による生活習慣病の予防は、地元の島だけでなく、日本社会全体の喫緊の課題と言っても過言ではありません。うま味調味料で「美味しく減塩できる」という認識が広まることで、様々な郷土料理が今後も伝承されると共に、生活習慣病予防の一助になることを願って止みません。

審査員総評

  • 伝承性
  • 新世代へのフィット感
  • うま味調味料の活用度
  • 受賞作品の特徴

受賞チームの味覚評価結果紹介

伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率31%伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率31%

うま味調味料の活用ポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • ブリに直接うま味調味料を振り、うま味を引き出し減塩した。
  • 酢にうま味調味料を加え、まろやかさを引き出すことで減塩した。
  • 干し椎茸の戻し汁にうま味調味料を加えることで、相乗効果で、よりうま味を高める工夫をした。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 魚嫌いが進む中、幼い子ども達が食べやすいよううま味調味料を使うことで、魚の臭みを減らす工夫をした。
  • 角寿司は手間の掛かる料理ではあるが、うま味調味料一振りで砂糖や塩などの調味料の計量の回数が減らせた。
  • すし酢にうま味調味料を加えることで、まろやかさを引き出し、酢の酸味を軽減させた。

うま味調味料の活用以外のポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • 栄養成分表示を見て、食塩の少ないものを選んだ。
  • 減塩だけでなく、砂糖も同時に減らし味の淡白さを感じないように気を付けた。
  • 鮮度の良い食材を選んだ。
  • ブリにまぶした塩を水洗いして使用した。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 手間の掛かるごぼうや人参のささがきは前日など事前にカットし、冷凍させておくこともできる。冷凍させておくことで火の通りも早くなり時短にもなる。(市販の冷凍カット済みのものでも良い)
  • ブリを捌くのは大変であるため、カットされたブリを購入し時短にした。

材料

※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料を使用。

作り方

  1. 具用と酢飯用のぶりのアラの下準備
    ぶりのアラに塩とうま味調味料をふり、1時間ほどおいた後、表面の塩を水で洗い流す。
    水洗いしたブリのアラの水気を拭き取り、グリルでうっすら焼き色がつく程度に焼き (約10分)、分量の2/3は粗くほぐし身を取り分ける。残り1/3は③の酢飯用の酢に使用する。
    ※酢飯用の酢に使用する1/3のアラは、背骨周辺の部分を使用する。
  2. 飾り用のぶりのなますを作る
    刺身用のぶりを3〜5mmほどの薄さに切り、うま味調味料をふり30分ほどおく。
    ぶりから水分が出てきたら、水気を拭き取り、15~20分ほど酢に浸す。ぶりの身が白くなったら、ぶりの身を漬け込んでいた酢に砂糖と薄口醤油を加え混ぜ合わせ、さらに30分ほどおき味をなじませる。ぶりの身を取り出し、汁気を拭き取る。
    ※切り身を取り除いた酢は、調理手順⑦の型を取る際に押し型につけながら行うと酢飯がきれいに押し出すことが出来る。
  3. すし酢を作る
    材料全てを鍋に入れ火にかけ沸騰したら火からおろし、①で残しておいた1/3の焼いたぶりのアラを入れ自然に冷めるまでおき、アラを取り除く(絞らない)。
    ※時間があるときは、アラをひと晩浸けておくとよりおいしくなる。
  4. 具材を作る
    ごぼうと人参はタテ十字に切りこみを入れ、厚さ1~2mmのごく薄い長さ1cmほどの細かいささがきにする。水で浸した干し椎茸は水気を絞り5mmほどのみじん切りにする。かまぼこも椎茸と同様の大きさに切る。
    切った材料と椎茸の戻し汁を鍋に入れ火にかけ、さっと煮、ごぼうに火が通ったら、①でほぐしたぶりのアラの身と調味料を加え、軽く混ぜ5分ほど煮詰め火からおろして味をなじませる。
    ※煮る際のポイント:アラの身を崩し過ぎないことと、ごぼうの食感が残るよう短時間で煮ること、煮上がりは汁はほぼない状態になるが煮詰め過ぎず具はしっとりした状態で火を止めること。小さめの鍋を用いると良い。
  5. 酢飯を作る
    米に水とうま味調味料を加え炊飯する。炊きあがった熱々のごはんをすし桶に移し、③のすし酢を全体に加え、うちわで扇ぎながらしゃもじで切るようによく混ぜる。ぬれ布巾をかけ粗熱が取れるまで置く。
  6. 錦糸卵を作る
    材料を全てボウルに入れて混ぜ合わせ、油を引いたフライパンで薄く焼き、せん切りにする。
  7. 型を取る
    酢飯を手にとり、具を真ん中に入れ、具がはみ出さないように丸める。
    7cm角の押し型に②のすし酢をつけ、丸めたすし飯を入れて軽く押し、酢飯のうえに②のぶりのなますをのせ、さらに押して形を整えます。型から外した時に崩れないように体重をかけ強く押します。
    型から抜き、錦糸卵と桜でんぶと山椒の葉をのせて完成。
    ※型を取るコツ:押し型の内側にすし酢をつけて、すし飯を入れてフタをし体重をかけて押すとこと。切り分ける際には包丁もすし酢で湿らせてから切ること。
    ※調理工程③ですし酢を作る際に使用し取り出したアラはしめ鯖のような味わいになるので、別途、そのままでも、少しお醤油をつけてもおいしく食べられる。

〈伝統レシピの調理手順〉
今回は入手しやすい7cm角の押し型を使用したが、伝統的な「角寿司」はひと回り大きい型を用いる。

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