「かやき」はもともと大きな貝殻を鍋代わりとし、季節の魚や野菜などを味付けした出汁で煮込んだ料理です。秋田県の内陸部では貝を利用しない鍋料理もかやきと呼び、季節によって食材が変わるので様々な味を年間通して楽しむことが出来るのが特徴です。秋田県北秋田地域は鉱山地帯で、坑内労働者で流行していた「よろけ病」の予防と称して馬肉を食べる習慣が生まれたとされています。馬肉は低エネルギー・高たんぱく質であり、鉄分などのミネラルやビタミン類も豊富で、現代人に足りないとされる栄養素を補える食材です。秋田で昔から食べられていた料理ですが、馬肉を食べたことがない方もいたのでぜひ食べてもらいたい一品です。
私たちは秋田県の伝統料理は味付けが濃い点と馬肉の①加熱すると肉が硬くなる、②臭みが強い点をクリアするために試行錯誤をしました。①は秋田県産イチジクの酵素の活用とホイル焼き調理をしたことです。水蒸気が循環することで馬肉自体のパサつきを防ぎ、肉を軟らかくする効果やうま味を閉じ込める効果がありました。1人分ずつ食材をすべて包んで「個別調理」「ほったらかし調理」が可能で、洗い物が少なくなるという「手軽さ」や「環境に優しい」点も現代にピッタリです。またうま味調味料は①・②両方に効果を発揮し、うま味の底上げだけではない新しい使い方を発見しました。同県産の姫たけのこを加えて彩りもよくし、30%減塩しても伝統的なレシピ以上の美味しさを引き出すことが出来ました。馬肉が初めての方や苦手な方でも工夫をすれば美味しく食べられることを知ってもらい、秋田の馬肉料理が名産としてこれから全国に広まっていくと嬉しいです。
A 伝統的なレシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 (2人分) ※1人分でも 作りやすいです。 |
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材料名 | 分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 | |
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馬 赤身 生 | 80g | 0.1g | 50g | 0.1g | 50g | 0.1g | 100g | |
酢 | 3g | 3g | 小さじ1強 | |||||
イチジク | 5g | 5g | 10g | |||||
低核酸系うま味調味料(A) | 0.2g | 0.06g | 4ふり(0.4g) | |||||
ごぼう | 30g | 20g | 20g | 40g | ||||
突きこんにゃく | 40g | 10g | 10g | 20g | ||||
高核酸系うま味調味料 | 0.1g | 0.03g | 2ふり(0.2g) | |||||
しめじ | 20g | 20g | 40g | |||||
姫たけのこ(水煮) | 30g | 30g | 60g | |||||
しょうが | 7g | 7g | 14g | |||||
長ねぎ | 5g | 5g | 10g | |||||
大葉 | 1枚 | 1枚 | 2枚 | |||||
みょうが | 7g | 7g | 14g | |||||
<合わせ調味料> | ||||||||
醤油 | 6g | 0.9g | 3g | 0.45g | 3g | 0.45g | 小さじ1 | |
味噌 | 9g | 1.1g | 6g | 0.73g | 6g | 0.73g | 小さじ2 | |
酒 | 50g | 15g | 15g | 大さじ2 | ||||
水 | 10g | 10g | 大さじ1・1/3 | |||||
低核酸系うま味調味料(B) | 0.3g | 0.09g | 6ふり(0.6g) | |||||
ごま油 | 2g | 2g | 小さじ1 |
※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。
〈伝統レシピの調理手順〉
①:伝統的な作り方では調理前に臭み抜きはしない。
④~⑥:伝統的な作り方では④~⑥の材料は加えない。
⑦:伝統的な作り方ではアルミホイルを使用せず、酒で炒り煮する。
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