根曲がり竹のみそ汁を次世代に伝えたい理由は、地元の人々に愛されている郷土料理であり、多雪地域で収穫される伝統食材の根曲がり竹をおいしく楽しむレシピだからです。根曲がり竹はあく抜きが不要で、鯖の水煮缶と信州味噌と組み合わせることで手軽に作ることができます。根曲がり竹のみそ汁は、不足しがちな良質のたんぱく質やカルシウム、DHAやEPAと食物繊維などを摂取でき、栄養面でも優れているのが魅力です。他の食材を入れてもおいしく食べることができます。根曲がり竹のみそ汁を季節の郷土料理としておいしく減塩して継承することで、地元への愛着を育て、地域の食文化や特産品を守ることができると考えました。
長野で愛される根曲がり竹のみそ汁の伝承には、減塩が重要です。伝統的な料理は、濃い味つけのものが多い傾向にあり、私たちが取り組んだ根曲がり竹のみそ汁も伝統的レシピには一人当たり2.2gの食塩が含まれていました。生活習慣病や動脈硬化予防の一環として、食塩摂取料を減らすことは健康を維持・増進するために重要です。うま味の相乗効果を利用して、鯖の水煮缶にグルタミン酸ナトリウムを多く含むうま味調味料を使用し、リボヌクレオチドナトリウムを含む高核酸系うま味調味料を汁に加えて、減塩効果が高まるように使い分けを行いました。その結果、うま味調味料を活用することで味噌の分量を半分に削減し、食塩を43%減少させるおいしいレシピを提案することができました。栄養面でも優れ、食塩量が少なく、そして何よりもおいしい伝統料理であるならば自信をもって次世代に伝えることができます。うま味調味料を活用した減塩味噌汁のアイデアは、他の汁物の減塩のアイデアとしても活用でき、伝統を守りながら健康寿命の延伸に貢献できると考えます。
A 伝統的なレシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 (2人分) |
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材料名 | 分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 | |
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水 | 200g | 200g | 200g | 2カップ | ||||
かつお節 | 4g | 4g | 4g | 8g | ||||
根曲がり竹水煮 | 41g | 0.08g | 41g | 0.08g | 41g | 0.08g | 82g | |
玉ねぎ | 26g | 26g | 26g | 52g | ||||
鯖(水煮缶) | 13g | 0.1g | 13g | 0.1g | 13g | 0.1g | 26g | |
低核酸系うま味調味料 | 0.03g | 0.01g | 1ふり弱(0.06g) | |||||
酒 | 15g | 15g | 大さじ2 | |||||
みそ | 19g | 2.01g | 9.6g | 1.02g | 9.6g | 1.02g | 大さじ1強 | |
高核酸系うま味調味料 | 0.1g | 0.03g | 2ふり(0.2g) |
※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。
〈伝統レシピの調理手順〉
⑦で日本酒を使用しない。
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