うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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「芋煮」は、山形で育った人ならば誰もが知っている郷土料理です。学校の年間行事に芋煮会が組み込まれている所も多くあります。芋煮会は大人になってからも、友人や家族などと集って行う秋の風物詩でもあります。
今年は新型コロナウイルスの影響で、ステイホームが命じられ、家でご飯を食べる機会が増えました。こうした「おうちごはん」への注目が高まっている中で、手間なく作れて、忙しい人でも簡単に作れるレシピを考えました。人と人を繋ぐことが出来る芋煮会を絶やさないためにも「芋煮」を将来に繋げることは勿論、家で食べる「おうちごはん」としても普及させていきたいと思います。

山形県は食塩や醤油の消費量が非常に多く、全国の中でも上位にランクインしています。山形県の郷土料理は芋煮を始め塩分の高いものが多いことから、うま味調味料を上手く使って効果的に減塩する方法を模索しました。
うま味調味料を料理に実際に使用していく中で、食材の風味を引き立てることや臭みを取ることなど様々な利用方法があることを学びました。うま味調味料の特性を理解し、上手く使いこなすことが出来れば、生活習慣病などの予防・改善などにも有効だと思いました。減塩と食材のうま味を効果的に高められるうま味調味料とその利用方法を、このコンテストを通して多くの方々に知って頂きたいと思います。
山形県の管理栄養士として、山形の郷土料理である芋煮を、うま味調味料の特性を活かして誰もが手軽に食べられる料理にしたいと思います。そして、全国の食卓に並ぶような、多くの人に愛される料理として広めていきたいと思います。

  • すべての食材が地域に根付いている。(日本栄養士会会長 中村 丁次先生)
  • 「芋煮」の知名度は「芋煮会」で、全国的に高いと思う。減塩により誰もが安心して食べられる芋煮になることは伝承していく上で重要である。また、使用する食材に様々な機能性物質が含まれていることも伝承する価値があると考える。(鎌倉女子大学 家政学部管理栄養学科 学科長 中谷 弥栄子先生)
  • 山形県の郷土料理芋煮について提案。(長野県立大学 健康発達学部食健康学科 学科長 中澤 弥子先生)
  • 人が集まる場所での定番を、新型コロナの流行により「おうちごはん」向きにアレンジし、伝える場を増やそうと工夫している。(女子栄養大学出版部「栄養と料理」浜岡 さおり編集長)
  • 著名で、行事食としも定着している郷土料理。家庭でもつくりやすいので、おいしく塩分量を下げるレシピには意義が高い。((株)NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」米村 望編集長)
  • 現在においても、年間行事として当たり前に食されていることや、材料や味つけも普遍的であることなど、現代においても伝承しやすいメニュー選定したことを評価する。((株)オレンジページ「オレンジページ」鈴木 善行編集長)
  • 里芋、ごぼうなど料理初心者にとっては扱いにくい食材に冷凍食品を使用したことにより、切る手間がかからず、さらに煮込む時間も短縮できた。料理初心者でも作ってみようかなと思う料理となったと思う。醤油の使用量を減らしているので最後に加え、風味を残す工夫をした。(中谷先生)
  • 伝統レシピにごぼう、舞茸、大根を加える。冷凍食品の里芋とささがきごぼうの利用で簡便に。(中澤先生)
  • 下処理に技術を要する食材について、冷凍食材の活用による簡便化で、作りやすさを向上させている。(浜岡編集長)
  • 根菜は冷凍食品を使用、牛肉はリーズナブルな輸入肉でも柔らかくなる工夫等、簡便への工夫が複数ある。(米村編集長)
  • メディアの影響もあって全国的にも知名度が高く、「イベント食」として捉えられていることもあり、若い世代にも受け入れられやすい一面がある。(鈴木編集長)

(※ 冷凍食品素材の活用については、新世代に伝えていくための工夫という点で今年度は評価。地場の食材を用いる郷土料理の在り方という点では今後継続して検討する。)

  • 減塩でもうま味によりおいしくなっている。(中村先生)
  • こんにゃくの下処理にうま味調味料を使用し、こんにゃく特有の臭みを除き、味を染み込みやすくした。牛肉と舞茸をうま味調味料で漬け込み肉の軟化を促すとともにうま味の相乗効果を狙った。(中谷先生)
  • 牛肉とこんにゃくの下ごしらえにうま味調味料を利用して48%の減塩。(中澤先生)
  • うま味調味料の特長を理解して、おいしい減塩にうまく活用している。(浜岡編集長)
  • こんにゃくの臭み取りや牛肉の下味などへの活用。また砂糖を減らし、しょうゆを最後に加えるなど、うま味調味料の効果を高める工夫もある。(米村編集長)
  • 塩分を半分程度に減らしている点、素材の下処理にも活用することで、うま味や食感の向上を図っている点。(鈴木編集長)
  • 牛肉にうま味調味料を揉みこむ、舞茸と一緒に漬け込むなどして、高級な牛肉を使用せずとも、牛肉を軟らかに仕上げられた。(中谷先生)
  • 芋煮をとりあげる。(中澤先生)
  • コロナ禍でのおうちごはんを意識した点。(浜岡編集長)
  • 家庭の煮物全般に応用できそうな工夫の数々。(米村編集長)
  • 知名度の高いメニューで、山形県以外でも伝承される可能性を持っている。(鈴木編集長)

  • こんにゃくの下処理で、通常塩を使うところをうま味調味料に変え、少ない塩分でこんにゃく特有の臭みをとり、味が染み込みやすくなるようにしました。
  • 牛肉(イノシン酸)とうま味調味料(グルタミン酸)をあらかじめ合わせることでうま味の相乗効果を利用し、素材の美味しさを引き出しました。
  • 醤油の量を半分にし、長時間煮込む芋煮の最後の仕上げにうま味調味料を加えることで、うま味を活かして少ない塩分でも満足できるように仕上げました。

  • 牛肉は煮過ぎると固くなってしまうことや、脂質の少ない部位を使用するとうま味も少なくかたい仕上がりになってしまいます。また輸入牛を使う場合でも柔らかく食べれるように、肉の下処理にうま味調味料をもみ込んで調理をすることで、柔らかさを増進させました。
  • こんにゃくは味が染みにくいので、下処理の段階で塩の代わりにうま味調味料を使って味がよく染み込むようにしました。

  • 醤油を一番最後に加えることで、風味を飛ばさず、少ない量でも満足できる味に仕上げました。
  • 砂糖を少なめにすることで甘味を減らし、うま味調味料により食材の風味がより引き立つように工夫しました。
  • 舞茸に含まれるプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)を利用し、最初に牛肉と一緒に漬け込むことで肉の軟化を促しました。

  • 芋煮に必ず必要な里芋は、土芋が使われますが、調理の下処理に手間がかかることから、冷凍食品の里芋を使用することによって調理の時間短縮を図りました。
  • ごぼうのささがきが難しいことや泥が付いたごぼうは下処理に手間がかかることから、冷凍食品を使用して作業の手間を少なくしました。

下記の表は左へスワイプしてご覧ください。

A
伝統レシピ
(1人分)
B
減塩レシピ
(うま味調味料不使用)
(1人分)
C
減塩レシピ
(うま味調味料活用)
(1人分)
C
減塩レシピ
(うま味調味料活用)
作りやすい分量
(2人分)
材料名 分量
塩分
(食塩相当量)
分量
塩分
(食塩相当量)
分量
塩分
(食塩相当量)
分量
里芋(土芋) 125g
里芋(冷凍食品) 125g 125g 250g
板こんにゃく 50g 50g 50g 100g
牛バラ肉 37.5g 37.5g 37.5g 80g
長葱 25g 25g 25g 50g
ささがきごぼう 15g 15g 30g
舞茸 20g 20g 40g
大根 30g 30g 60g
醤油 18g 2.5g 9g 1.25g 9g 1.25g 大さじ1
砂糖 4g 2.5g 2.5g 小さじ1・2/3
日本酒 12g 12g 12g 大さじ1・1/2
200ml 200ml 200ml 2カップ
うま味調味料(A) 0.1g 0.03g 2ふり
うま味調味料(B) 0.05g 0.015g 1ふり
うま味調味料(C) 0.05g 0.015g 1ふり

※うま味調味料は、高核酸系うま味調味料を使用。

  1. 牛肉は4cmぐらいに切り、葱は大きめの斜め切りにする。大根は皮を剥いて厚めのいちょう切りにする。
  2. ボウルに牛肉、舞茸を手で裂いて入れ、高核酸系うま味調味料(A)を3ふり加え、揉み込み、30分以上置いておく。
  3. 板こんにゃくは手で適当にちぎり、高核酸系うま味調味料(B)を1ふり加え、揉みこみ、5分程度置いておく。
  4. ③を沸騰したお湯で2~3分茹で、ザルに空けて水気をきっておく。
  5. 鍋に分量の水と里芋、こんにゃく、大根を入れて火にかけ、里芋に箸がスッと通るまで煮る。
  6. 牛肉と舞茸、醤油2/3、砂糖、酒、ささがきごぼう、を加えアクを取りながら煮る。
  7. 葱を加えてくたくたになるまで煮込む。
  8. 最後に醤油1/3を加えてサッと煮込んだら完成。

<伝統レシピの調理手順>
①牛肉は4cmぐらいに切り、葱は大きめの斜め切りにする。里芋は皮を剥いて一口大に切る。 ②の工程は伝統レシピではなしとする。 ③・④板こんにゃくは手で一口大にちぎる。(必要に応じてゆでこぼしを行う)  ⑤鍋に分量の水と里芋、こんにゃくを入れて火にかけ、軽く沸騰してきたら醤油(4.5g)を加えて煮る。 ⑥里芋が柔らかくなったら牛肉と残りの調味料(醤油13.5g、砂糖、酒)を入れ、アクをすくいながら煮る。 ⑦葱を加えてくたくたになるまで煮込み、味を染み込ませる。