最新のコンテスト【企画概要】ページは下記よりご覧ください。
「芋煮」は、山形で育った人ならば誰もが知っている郷土料理です。学校の年間行事に芋煮会が組み込まれている所も多くあります。芋煮会は大人になってからも、友人や家族などと集って行う秋の風物詩でもあります。
今年は新型コロナウイルスの影響で、ステイホームが命じられ、家でご飯を食べる機会が増えました。こうした「おうちごはん」への注目が高まっている中で、手間なく作れて、忙しい人でも簡単に作れるレシピを考えました。人と人を繋ぐことが出来る芋煮会を絶やさないためにも「芋煮」を将来に繋げることは勿論、家で食べる「おうちごはん」としても普及させていきたいと思います。
山形県は食塩や醤油の消費量が非常に多く、全国の中でも上位にランクインしています。山形県の郷土料理は芋煮を始め塩分の高いものが多いことから、うま味調味料を上手く使って効果的に減塩する方法を模索しました。
うま味調味料を料理に実際に使用していく中で、食材の風味を引き立てることや臭みを取ることなど様々な利用方法があることを学びました。うま味調味料の特性を理解し、上手く使いこなすことが出来れば、生活習慣病などの予防・改善などにも有効だと思いました。減塩と食材のうま味を効果的に高められるうま味調味料とその利用方法を、このコンテストを通して多くの方々に知って頂きたいと思います。
山形県の管理栄養士として、山形の郷土料理である芋煮を、うま味調味料の特性を活かして誰もが手軽に食べられる料理にしたいと思います。そして、全国の食卓に並ぶような、多くの人に愛される料理として広めていきたいと思います。
- こんにゃくの下処理で、通常塩を使うところをうま味調味料に変え、少ない塩分でこんにゃく特有の臭みをとり、味が染み込みやすくなるようにしました。
- 牛肉(イノシン酸)とうま味調味料(グルタミン酸)をあらかじめ合わせることでうま味の相乗効果を利用し、素材の美味しさを引き出しました。
- 醤油の量を半分にし、長時間煮込む芋煮の最後の仕上げにうま味調味料を加えることで、うま味を活かして少ない塩分でも満足できるように仕上げました。
- 牛肉は煮過ぎると固くなってしまうことや、脂質の少ない部位を使用するとうま味も少なくかたい仕上がりになってしまいます。また輸入牛を使う場合でも柔らかく食べれるように、肉の下処理にうま味調味料をもみ込んで調理をすることで、柔らかさを増進させました。
- こんにゃくは味が染みにくいので、下処理の段階で塩の代わりにうま味調味料を使って味がよく染み込むようにしました。
- 醤油を一番最後に加えることで、風味を飛ばさず、少ない量でも満足できる味に仕上げました。
- 砂糖を少なめにすることで甘味を減らし、うま味調味料により食材の風味がより引き立つように工夫しました。
- 舞茸に含まれるプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)を利用し、最初に牛肉と一緒に漬け込むことで肉の軟化を促しました。
- 芋煮に必ず必要な里芋は、土芋が使われますが、調理の下処理に手間がかかることから、冷凍食品の里芋を使用することによって調理の時間短縮を図りました。
- ごぼうのささがきが難しいことや泥が付いたごぼうは下処理に手間がかかることから、冷凍食品を使用して作業の手間を少なくしました。
下記の表は左へスワイプしてご覧ください。
A 伝統レシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 (2人分) |
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材料名 | 分量 | 塩分 (食塩相当量) |
分量 | 塩分 (食塩相当量) |
分量 | 塩分 (食塩相当量) |
分量 |
里芋(土芋) | 125g | - | - | - | - | - | - |
里芋(冷凍食品) | - | - | 125g | - | 125g | - | 250g |
板こんにゃく | 50g | - | 50g | - | 50g | - | 100g |
牛バラ肉 | 37.5g | - | 37.5g | - | 37.5g | - | 80g |
長葱 | 25g | - | 25g | - | 25g | - | 50g |
ささがきごぼう | - | - | 15g | - | 15g | - | 30g |
舞茸 | - | - | 20g | - | 20g | - | 40g |
大根 | - | - | 30g | - | 30g | - | 60g |
醤油 | 18g | 2.5g | 9g | 1.25g | 9g | 1.25g | 大さじ1 |
砂糖 | 4g | - | 2.5g | - | 2.5g | - | 小さじ1・2/3 |
日本酒 | 12g | - | 12g | - | 12g | - | 大さじ1・1/2 |
水 | 200ml | - | 200ml | - | 200ml | - | 2カップ |
うま味調味料(A) | - | - | - | - | 0.1g | 0.03g | 2ふり |
うま味調味料(B) | - | - | - | - | 0.05g | 0.015g | 1ふり |
うま味調味料(C) | - | - | - | - | 0.05g | 0.015g | 1ふり |
※うま味調味料は、高核酸系うま味調味料を使用。
- 牛肉は4cmぐらいに切り、葱は大きめの斜め切りにする。大根は皮を剥いて厚めのいちょう切りにする。
- ボウルに牛肉、舞茸を手で裂いて入れ、高核酸系うま味調味料(A)を3ふり加え、揉み込み、30分以上置いておく。
- 板こんにゃくは手で適当にちぎり、高核酸系うま味調味料(B)を1ふり加え、揉みこみ、5分程度置いておく。
- ③を沸騰したお湯で2~3分茹で、ザルに空けて水気をきっておく。
- 鍋に分量の水と里芋、こんにゃく、大根を入れて火にかけ、里芋に箸がスッと通るまで煮る。
- 牛肉と舞茸、醤油2/3、砂糖、酒、ささがきごぼう、を加えアクを取りながら煮る。
- 葱を加えてくたくたになるまで煮込む。
- 最後に醤油1/3を加えてサッと煮込んだら完成。
<伝統レシピの調理手順>
①牛肉は4cmぐらいに切り、葱は大きめの斜め切りにする。里芋は皮を剥いて一口大に切る。 ②の工程は伝統レシピではなしとする。 ③・④板こんにゃくは手で一口大にちぎる。(必要に応じてゆでこぼしを行う) ⑤鍋に分量の水と里芋、こんにゃくを入れて火にかけ、軽く沸騰してきたら醤油(4.5g)を加えて煮る。 ⑥里芋が柔らかくなったら牛肉と残りの調味料(醤油13.5g、砂糖、酒)を入れ、アクをすくいながら煮る。 ⑦葱を加えてくたくたになるまで煮込み、味を染み込ませる。