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郷土の味をひきたてる〜うま味〜 おいしく減塩 第8回郷土料理コンテスト2023
結果発表

表彰式

12月16日、第8回「うま味調味料活用
郷土料理コンテスト」2023表彰式が
実施されました。
今年は味の素グループうま味体験館を
会場とし、オンラインにて各地域と
結びお祝いしました。
審査員長の中村丁次先生より、
各チームへの表彰状授与の他、
受賞者による熱いプレゼンテーション
が繰り広げられました。

表彰式関係者メンバー
前列左より:優勝チーム「もぐもぐ隊」の皆様、日本うま味調味料協会 会長 倉島薫、日本栄養士会 会長 中村丁次先生、準優勝チーム「鷹島屋」の皆様 中列左より:審査員の先生方、農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部食品製造課 課長補佐 五十嵐晃様、係長 長束正則様、料理研究家 渡辺あきこ様、ほりえさちこ様 後列:うま味くん、日本うま味調味料協会メンバー 後方スクリーン:オンライン参加の受賞者の皆様
優勝メンバー
表彰状授与 優勝:もぐもぐ隊
宮城県農業大学校アグリビジネス学部1年
準優勝メンバー
表彰状授与 準優勝:鷹島屋 親子3世代

表彰式の様子

受賞者のプレゼンの様子

優勝

もぐもぐ隊

宮城県農業大学校アグリビジネス学部1年

おやき(長野県)

49%減塩

COMMENT

東京聖栄大学
健康栄養学部
食品学科 教授

福留奈美先生

レシピづくりでは、減塩のポイントを確認した後、チーム員がリレー形式で家庭で作り、次の人がアレンジを加えて改善するという試作を重ね、最後には自分たちが一生懸命作ったものを学校の仲間に食べて評価してもらい確認をしたそうですね。そうした一連のアプローチが素晴らしいですし、実際に若い人たちにつくってもらえそうな工夫がしっかりとされていて、私もつくってみたくなりました。伝統の味を新たに生まれ変わらせ次に繋げていく。そうした瞬間に立ち会えてうれしい気持ちでいっぱいです。おめでとうございます。

準優勝

鷹島屋

親子3世代

鶏ちゃん(岐阜県)

31%減塩

COMMENT

女子栄養大学出版部
「栄養と料理」

浜岡さおり編集長

お寿司の郷土料理は全国に数多くある中で、鷹島の「角寿司」という限られた地域の郷土料理に着目し応募してくださったことを大変うれしく思います。今回、ご家族の中で口伝えによってレシピを継承していく大変貴重なプロセスを経験され、絆がさらに深まったとのこと。とても素晴らしい体験をされたのだなと思いました。うま味調味料も活用し見事においしく減塩された、この素晴らしい口伝のレシピが、多くの人に伝わることを心から願っております。

時短アイデア賞

秋田栄養短期大学 
田中ゼミナール

へそ大根のにしめ(宮城県)

54%減塩

COMMENT

長野県立大学
健康発達学部
食健康学科 教授

中澤弥子先生

馬肉をやわらかくするための工夫から、若い人たちの嗜好に合わせるための食材の工夫、アルミホイルで蒸し煮にする調理方法の工夫等、本当に細部に渡って沢山の工夫があり、まさにアレンジ賞にぴったりだと思いました。そしてうま味調味料を使うことで馬肉がより柔らかく感じたことを味覚評価の結果として示されました。皆さんの沢山のアイデアが盛り込まれた素晴らしいレシピは、馬肉を食べる食文化がある他県でも参考になるものと思います。

郷土料理アレンジ賞

のこのこ

長野県立大学 健康発達学部 食健康学科3・4年

なまぶしの押しすし(大阪府)

77%減塩

COMMENT

東北大学大学院
文学研究科
心理学研究室
教授・うま味研究会
会長

坂井信之先生

根曲りだけの味噌汁は他地域ではなかなかたべられないので長野に帰ったら必ず食べたい、そうした強い思い、食へのこだわりに感銘を受けました。そして、味噌を半分に減らして味を補う工夫をされた際に、複数のうま味調味料を試しそれぞれの特性を生かしたこと、科学的なベースに乗っ取ってうま味の相乗効果を活かして工夫されたことが良かったと思います。味噌を減らしてもおいしく食べられる工夫は味噌汁文化を守ることにも繋がると期待します。

減塩サクセス賞

南予をもっと知らせ隊

愛媛県南予地方局八幡浜支局

鯖寿司(京都府)

54%減塩

COMMENT

㈱NHK出版
「きょうの料理
ビギナーズ」

櫛田名緒編集長

減塩率が51%と非常に高く塩分の含有量も少ないレシピを実現されており、減塩サクセス賞に選ばせていただきました。皆さんで実際に市場に行って情報を集め、試作をしてみて、ハマチを選んだというアプローチや、うま味の活用を含めた調味の工夫、味をしみ込み易くするための調理の工夫等が非常に良かったと思います。魚離れが進む中、若い皆さんの今回の体験と実感、そして想いが南予地方に伝わり根ざして行くことを期待したいと思っております。

郷土愛賞

South Kitchen

家族

だまこ鍋(秋田県)

44%減塩

COMMENT

 

(公社)日本栄養士会
会長

中村丁次先生

2050年くらいには大変な食料不足が起こるだろうと現在言われており、SDGsの中でも食料問題や栄養問題は特に重要です。そんな中、動物性食材について考えると、動物の内臓は、たんぱく質は勿論ビタミン、ミネラル等の貯蔵庫になっており、栄養素を豊富に持っています。従って、内臓を減塩でおいしく食べさせる、皆さんの工夫が詰まったこの中身汁を世の中に普及させることはとても重要であり、今回の受賞は大変意義深いことだと思っております。

コンテストの概要

うま味調味料を活用して、郷土料理を減塩でよりおいしく!をテーマに
郷土料理コンテストを開催いたしました。
受賞作品のよりおいしく減塩されたレシピや現代に合わせて作りやすく工夫された調理方法を、
各種メディアや当サイトを通じて発信することで、環境にも体にもやさしく、
かつ作りやすい郷土料理レシピとして伝えて行くことを目指します。
そして、考案された「おいしい減塩のための工夫」が普段の食生活の改善にも活かされるよう、
受賞チームの取組みを発信していきます。

審査員長の総評

第8回「うま味調味料活用!
郷土料理コンテスト」2023
審査員長総評
(公社)日本栄養士会会長
中村丁次先生

このコンテストの意図をものの見事に汲み取っていただき、とうとう応募件数が100件を超えました。しかも応募作品のレベルは年々上がり、今年の応募作品も非常に優れた作品が多くありました。実験データも添えて応募するという、おそらく他にはない、大変珍しいコンテストだと思いますが、社会的意義が非常にあり、これからも発展していくのではないかと思っております。

今日は、会場である味の素グループうま味体験館にたどり着くために、道しるべになっているパンダの足跡を追いかけてきたわけですが、パンダの繋がりでお話したいことがあります。
私は子供たちに栄養教育をする際、最初にパンダの話をしています。なぜかというと、とても不思議な動物で、笹だけであんなに筋肉隆々のパンダになるということで、子供たちが栄養に興味を持つきっかけになると考えるからです。たんぱく質を食べなくても筋肉ができるということは、従来の栄養学では考えられないことです。
笹だけを食べても筋肉ができる理由は、元々は鮭も食べていたパンダが、偶然笹と一緒に微生物を飲み込みそれが体内で繁殖し、腸内細菌として働いて笹のセルロースからアミノ酸やビタミンなどを作り、それを栄養として吸収するからです。
ところが一昨日、中国の論文を読んでいたら、とても面白いことが書いてありました。パンダが食べるのは笹だけではないというデータでした。春先に出てくる筍、この筍を大量に食べるそうです。 そして、笹だけを食べる時期はちょっと栄養が足りず痩せるらしいのですが、筍にはタンパク質や糖質が含まれていて結構栄養があるんですね。筍をたくさん食べて、笹しか食べられない時期のために栄養を蓄えているわけです。
つまり、旬のものを食べる、ということ。そして、それによって四季がおりなす時の栄養をカバーしながら、自然環境に適応しながら生きていくこと。まさにそのことが大事、ということだと思うのです。

そして郷土料理も、自分たちの地域、季節の中で育ってくる植物、動物をうまく使って取り入れていく、そういうことが素晴らしいのだと思います。日本の伝統文化である和食は郷土料理として今日まで残ってきたわけですが、地域の旬のものを食べることによって、我々日本人は生きてきたのだろうと思うのです。 

しかし一方で、郷土料理というものは歴史が育んできたもので、ある部分では正しいですが、郷土料理が完全に正しいかどうかは分かりません。
例えばこのコンテストで最大のテーマになっている減塩。その昔、日本の東北、北陸の人たちがなぜ、あれだけ高濃度な食塩を食べたのか。かつての栄養学は、寒さに対応するために食塩の摂取量が多かったのだと解釈しました。だから食塩をたくさん摂って当然なんだ、 減塩なんかしたら冬が越せないと、むしろ食塩を摂ることを勧めた歴史があります。
でもそれは、間違いであった。それが要因のひとつとなり、脳卒中や高血圧が減らなかったのです。
減塩をした方がもっと健康に優れている、というのは科学が明らかにしたことです。

郷土料理の単なる発掘・継承ではなく、現代が抱えるいろんな問題に対して、これを人類の知恵で修正し、現代に合わせていこう、ということが、この我々が取り組んでいるコンテストの大きな特徴だろうと思っております。 この主旨がますます広がるように、このコンテストがさらに発展するように心から願って、審査員長としての挨拶にします。おめでとうございます。ありがとうございました。 

受賞作品の試食の様子と展示

優勝と準優勝の受賞作品の試食を行いました。

今年も多くのメディアの皆様にご取材いただき、沢山の方に、うま味を生かしたおいしい減塩の郷土料理を味わっていただくことができました。減塩とは思えない味わい深いおいしさに、おどろきの声が上がっていました!!

気になる、伝統レシピに対する減塩率は下記の通りです。

優勝
「はらこ飯」31%減塩
準優勝
「角寿司」21%減塩

表彰式の参加者紹介

受賞者

もぐもぐ隊様(宮城県農業大学校アグリビジネス学部1年)
鷹島屋様(親子3世代)
秋田栄養短期大学 田中ゼミナール様
のこのこ様(長野県立大学 健康発達学部 食健康学科3・4年)
南予をもっと知らせ隊様(愛媛県南予地方局八幡浜支局)
South Kitchen様(家族)

来賓

農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 課長補佐 五十嵐晃様
農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 係長 長束正則様
料理研究家 渡辺あきこ様
料理研究家 ほりえさちこ様

審査員

(公社)日本栄養士会 会長 中村丁次先生
長野県立大学 健康発達学部 食健康学科 教授 中澤弥子先生
東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 教授 福留奈美先生
東北大学大学院 文学研究科 心理学研究室 教授・うま味研究会 会長 坂井信之先生
女子栄養大学出版部「栄養と料理」 浜岡さおり編集長
㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」 櫛田名緒編集長

主催者

日本うま味調味料協会メンバー

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