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レディーブロッサム 社会福祉法人秀峰会 特別養護老人ホーム さくら苑

青森県三戸郡 ひっつみ汁(青森県)

青森県三戸郡 ひっつみ汁(青森県)

このページでは、受賞チームの応募内容・
審査員総評・レシピをご紹介いたします。

受賞者からのコメント

伝えていきたい
三戸のひっつみ汁

青森県三戸出身の93歳ご利用者に心に残る郷土料理をお伺いしたところ、戦争中や戦後の食糧難の時に、お腹いっぱい食べられるひっつみ汁が食卓に出ると、とても嬉しかった事など、懐かしそうにお話しして下さいました。
「おなかいっぱい食べられて嬉しかった」という幸せな記憶と共に、調味料から具材まで事細かに生き生きとした表情で、昔を思い出しながら、はっきりとした口調で伝承してくださるご様子は、郷土料理を伝承する事で脳が活性化されて、幸せだった記憶を呼び覚ましているご様子でした。現在の日本は、温暖化や災害の多発などにより食糧難が懸念されています。
こうした不安定な現代に、小麦粉を活用した野菜豊富な栄養満点のひっつみ汁は、子供から高齢者まで気軽に作る事ができるという点も含めて、食育にも災害時にも応用が利く優れた料理だと思い魅力を感じました。

郷土料理の伝承と
うま味調味料の可能性

秀峰会さくら苑では、日清医療食品(株)と協力して、世代間交流ができる地域の方をお招きした食事行事を開催しています。
この取り組みでは、高齢者施設のお年寄りや職員と、地域住民同士のつながりが深まり、地域特有の料理や伝統が次世代に伝えられる場になっているのと、地域の文化が継承されるとともに、新しいアイデアや料理が生まれる機会にもなっています。
来年度開催する地域食事行事にて、うま味調味料を活用すると、塩分を減らしても満足感のある味を保つことができる事により、健康的な食事がしやすくなる事、小さなお子様からお年寄りまで、塩分を気にすることなく郷土料理を楽しめる事を、郷土料理が持つ思い出や時代背景とともに、私たちが伝承していこうと考えています。

審査員総評

  • 伝承性
  • 新世代へのフィット感
  • うま味調味料の活用度

受賞チームの味覚評価結果紹介

伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率49%伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率49%

うま味調味料の活用ポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • うま味調味料をひっつみの生地に入れ込む事で、ひっつみが冷めても美味しくなるようにした。
  • だし昆布を、うま味調味料に替えて、出汁のうま味と塩分のバランスを整え減塩に努めた。
  • ひっつみ、野菜、鶏肉にしみ込んだうま味調味料が、温かい汁にうま味として流出して、汁にコクとうま味を加えるように工夫した。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 若い世代も、親子でも気軽に作る事ができるように、出汁は鰹節のみから取るだけの手軽なレシピにした。
  • 複雑な調味料の分量や、入れる順番などを気にせずに作っても、美味しくできるように下味にうま味調味料を使い、素材にうま味がしみ込んでいるようにした。
  • 食事に追われる現代人や、受験など勉学に励む子供にとって、1つのお椀でお腹が満たされ、温かなうま味とコクを感じながら、5大栄養素をしっかりと摂取できる事を意識して考えた。忙しい現代人にこそ、食べて欲しいひと椀になるよう意識した。

うま味調味料の活用以外のポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • ごぼう、しいたけなどを使用し、味に深みを出した。
  • あらかじめ油で材料を炒める事で、細胞壁を壊して、野菜からうま味を出やすくした。また、鶏肉が香ばしくなりコクがでるようにした。
  • 野菜を炒める事で、煮崩れにくくし、野菜を食べた時に甘みや香りが楽しめるようにした。
  • ごま油、こしょうの風味によって、味にまとまりが出て減塩でもしっかりとした味わいになるようにした。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 「貧しい頃、ひっつみのお椀1杯でお腹いっぱいになれるのが幸せだった。それを若い人たちにも知ってもらいたい」という93歳のメンバーの想いから、日本の戦後に子供たちが自分たちでお腹いっぱいになれる、ひっつみを作って、最後の汁1滴まで美味しく食べた気持ちを再現できるように、食べる事が幸せだと感じられるような温かで優しい味になるようレシピを考えました。
  • あらかじめ材料を炒める事で、煮込み時間を短縮する事ができるよう工夫し、忙しい生活の中でも調理しやすくなるよう工夫した。
  • 生地をつまんで、伸ばして鍋に入れるという工程が、調理工程の中で一番メインになるように、調味料の種類や、野菜の切り方などは単純にし、作る楽しさを残す事で、小さなお子様からお年寄りまで楽しく一緒に作れるレシピに仕上げた。
  • 大人は最後にこしょうを入れてアクセントをつけ、子供はそのままこしょうを入れずに食べられるように、どの世代でも対応できるように、工夫した。

材料

※うま味調味料は、高核酸系うま味調味料を使用。

作り方

  1. 小麦粉にうま味調味料(ひっつみ用)を混ぜ、水を加え、耳たぶより少し柔らかい程度までこねる。
    ラップに包み(またはポリ袋に入れ)生地を15分以上寝かせる。
  2. 干ししいたけはもどして薄切り、にんじんは半月切り、ねぎ・ごぼうは斜め切りにし、ごぼうは水にさらす。
    鶏肉は小さめのひと口大に切る。干ししいたけの戻し汁はとっておく。
    ※ 高齢者が食べる場合は、安全に食べられるように、にんじん・ごぼうは1~2mm厚さの極薄切り、ねぎは5mm~1cm厚さの斜め切り、鶏肉は1~1.5cmの大きさに切る。
  3. 鍋に水を入れて、沸騰したら火を止めて花かつおを入れる。かつお節が沈むまで2分ほどおき、ペーパータオルを敷いたザルで静かにこす。
  4. 鍋にごま油を熱し、鶏もも肉、②のにんじん・ごぼう・干ししいたけを炒め、③の出汁と、とっておいた干ししいたけの戻し汁を加える。
  5. ④に、うま味調味料(汁用)、酒、みりんを加え、中火で10分ほど根菜が柔らかくなるまで煮た後、濃口醤油を加える。
  6. ①の生地を、手でなるべく薄くのばしてちぎり、⑤に入れて煮る。ひっつみが汁の表面に上がってきて、透明感が出てきたら、火を止めてねぎを入れる。
    ※ 高齢者が食べる場合は、安全に食べられるように生地の厚みと大きさに注意する。生地をなるべく薄く延ばすのが大事なポイント。また、サイズが小さすぎるとかまずに飲み込んでしまう恐れがあるため、小さくなりすぎないように注意する。生地に打ち粉をして麺棒で薄くのばし、包丁で大き目のひと口大に切り分けてもよい。
  7. お椀によそい、黒こしょうをひと振りする。

〈伝統レシピの調理手順〉
③ごま油で鶏肉、野菜を炒めない。
⑦黒こしょうを加えない。

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