うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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ご応募くださった皆様へ

(公社)日本栄養士会 代表理事会長
中村丁次先生

(公社)日本栄養士会会長 神奈川県立保健福祉大学学長 中村丁次先生

郷土料理の復活で、リスク社会を乗り越える

異常気象、地震、大雨等の自然環境、さらに食習慣の変化、食料の海外依存など、現在の食卓は多様なリスクにあふれています。この状況から脱出するには、古くから、その地域にある伝統的な食事である郷土料理を再評価することです。郷土料理は、自然・社会的環境が変化する中で生き抜き、地域の人々の生命と健康を維持し続けたからです。郷土料理が、伝統的食事として生き抜いているということは、それ自体が強靭な食事であることを物語っているのです。
郷土料理を持続可能にすることは、地球環境をまもり、その中で生きている動植物の多様性を守り、引いては、人々の命と健康を守るのです。

長野県立大学
健康発達学部食健康学科 教授
中澤弥子先生

長野県立大学 健康発達学部食健康学科教授 中澤弥子先生

今年度もうま味調味料を活用し、工夫を凝らしおいしく減塩した、多彩なアイデアに満ちた郷土料理が多数応募され、大変興味深く審査いたしました。
優勝レシピの「青森県三戸郡 ひっつみ汁」は、特別養護老人ホームの93歳のご利用者様からの郷土料理への熱い想いを参考に、減塩と昔懐かしい味をおいしく実現された栄養たっぷりの優れた提案でした。利用者様が、給食で食べる事が幸せだと感じられるような温かで優しい味になるよう検討されたレシピで、おいしく減塩された郷土料理を召し上がることで、昔の記憶を呼び覚まし、脳が活性化されることが推察されました。また、その他にも、うま味調味料活用の新しい優れたアイデアが本コンテストに多数寄せられ、大変勉強になりました。これらの素晴らしいアイデアが周知され、おいしく健康的に郷土料理の伝承が実現することを願っています

東京聖栄大学
健康栄養学部食品学科 教授
福留奈美先生

東京聖栄大学 健康栄養学部食品学科准教授 福留奈美先生

今年も多くの応募がありました。大学のゼミナールや職場仲間で毎年応募してくださる常連チームだけでなく、学生が大学でポスターを見て興味を持ち親子で協力して応募するといった例も増えたように思います。今年の優勝チームは、高齢者施設の栄養士さんたちと入居者の方々のチームワークが光っていました。
受賞候補作品に綴られた郷土料理にまつわるエピソードやレシピに込めた思いからは、家族愛溢れる食のシーンや地域への熱いまなざし、私が伝承していくのだという決意が伝わってきました。うま味の減塩テクニックだけでなく、郷土料理に秘めるストーリーを新たに作り出していくような、そんな作品を今後も期待したいと思います。

東北大学大学院文学研究科
心理学研究室 教授・
うま味研究会 会長
坂井信之先生

東北大学大学院文学研究科 心理学研究室 教授・うま味研究会 会長 坂井信之 先生

昨年に引き続き、魅力的な郷土料理とうま味調味料を使った減塩の工夫について興味深く審査いたしました。皆さんにとって郷土料理は単に失われつつあるものではなく、懐かしく、次の世代へも引き継いでいきたい大事なものであることがよくわかりました。
昨今、社会や生活が大きく変わり、日常的に食べるものも日々変わっています。郷土料理の味付けも、時代の変化とともに少しずつ変わっているはずですが、同じ郷土料理として認知され続けていることに持続可能性のヒントがあるように思えます。この料理コンテストに関わらせていただくことで、料理にはいろいろな可能性があることを知ることができてとても楽しいです。来年の挑戦も楽しみにしています。

女子栄養大学出版部
「栄養と料理」
浜岡さおり編集長

女子栄養大学出版部「栄養と料理」 浜岡さおり編集長

コンテストも9回を迎え、その歴史が積み重なってきました。応募作品を見ても、料理選定やうま味調味料の活用方法について、過去の応募作品を参照しているものが少なからずあるようにも感じました。歴史をうまく活用すると新しいものが効率よく生み出せるという点で、今年の入賞作品はいずれもより力強く、新鮮でした。特に優勝チームは郷土料理の選び方もさることながら、試行錯誤の過程やレポートが非常に丁寧である点が印象的でした。レシピの評価に関しては基準設定に悩んだチームも少なくなかったようですが、ぜひこれまでのコンテストの歴史を活用して、次回はさらにユニークな「おいしい減塩」にチャレンジしていただけたら幸いです。

㈱NHK出版
「きょうの料理ビギナーズ」
櫛田名緒編集長

㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」 米村望編集長

今年も応募作品の質の高さと、みなさんの熱量を感じました。和食は、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、郷土料理はまさにそれを体現するものです。諸外国、特に欧米と比べて塩分量の多い点は和食の数少ない欠点ですが、伝統的な郷土料理の塩分を「うま味調味料」の活用によっておいしく減らそうという試みは、「うま味」を大事にしていた食文化の、日本ならではのアプローチだと思います。応募作品のひとつひとつに郷土料理、そして和食の未来に繋がるヒントがありました。審査に参加できたことを、心から感謝しております。

コンテストアーカイブ