うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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郷土愛賞

秋田栄養短期大学
田中ゼミナール

サメの納豆汁(秋田県)

秋田県

このページでは、受賞チームの応募内容・
審査員総評・レシピをご紹介いたします。

受賞者からのコメント

伝えていきたい
サメの納豆汁

サメの納豆汁は、秋田県鹿角市など内陸部に住む人々にとって、寒さの厳しい冬場の貴重なタンパク源であった「サメ」が入っている点が1番の特徴で、体が温まる寒い地域ならではの料理です。県南だけでなく県北でも独自のスタイルで確立されています。また、山菜や根菜など具材がたっぷりなごちそう汁であることから、冠婚葬祭やハレの日によく食べられてきました。周りの友達は納豆汁を家庭でよく作るという声が多く、またたんぱく質や野菜を補う汁物としても多くの人から愛されていると感じました。忙しい現代人が作りやすく、おいしく食べられるような工夫を考え伝えていくことで、郷土料理や地域文化の継承に少しでも貢献していきたいです。

郷土料理の伝承と
うま味調味料の可能性

2種類のうま味調味料をサメや里芋など食材ごとに使い分けて様々な効果を発揮できたことに加え、甘酒、納豆、秋田味噌を使用し、秋田の発酵食文化や郷土料理の歴史についても知ることができました。栄養価が高い納豆を「粉末納豆」に代替したことですりつぶす手間が省け、調理時の納豆特有のにおいの発生を軽減でき、納豆好きにはもちろん、納豆が苦手な方でも食べやすい1品です。また、納豆せんべいを上にのせ、食感も楽しめる工夫するなど、伝統を残しつつ誰でも簡単で作りやすい、現代に合わせた唯一無二のアイデアをたくさん詰め込み、56%も減塩できました。おいしく減塩するために手放すことのできないうま味調味料は、変わり続けていく人々の嗜好やライフスタイルに合わせて進化しながら、昔の人々と私たちを繋いでくれる架け橋のように感じます。このレシピを通して、郷土料理が食卓に並ぶ機会が増える1つのきっかけになってほしいです。

審査員総評

  • 伝承性
  • 新世代へのフィット感
  • うま味調味料の活用度

受賞チームの味覚評価結果紹介

伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率54%伝統的なレシピと減塩レシピ(うま味調味料活用)を比較すると減塩率54%

うま味調味料の活用ポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • サメの臭み抜きには、低核酸系うま味調味料を使用して、臭み抜きの効果を上げるとともにサメ自体のうま味との相乗効果も期待できる。
  • 里芋は皮をむいたものを使用して、高核酸系うま味調味料を揉みこむことで、味を染み込みやすくする。
  • 粉末納豆と味噌を合わせるときに一緒に加えることで、大豆のコクをUPさせる。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 臭み抜きや調味でうま味調味料を加えることで、食材の持つ嫌な部分を抑えつつ、料理の味全体のバランスをうまく保てるように工夫した。
  • 味噌を火を止めてから加えることで、風味が消えないようにした。

うま味調味料の活用以外のポイント

おいしく減塩するために
工夫したところ

  • サメを調理前に甘酒で揉みこむことで臭み抜きができることに加え、甘酒の持つプロテアーゼにより、サメのたんぱく質が分解され加熱してもふっくらした食感になる。
  • 甘酒を加えることで、甘味がプラスされ、味噌の味がまろやかになる。

次世代に伝えていくために
工夫したところ

  • 皮をむいた里芋が旬になるとスーパーに並ぶので、土つきを洗ったりむいたりする手間を省くことができる。
  • 粉末納豆汁の素を使用することで、納豆をすり潰す手間がかからないため時短になり、1杯だけでも気軽に作ることができる。
  • 納豆せんべいを加えることで、納豆の風味や食感のアクセントが感じられ楽しく食べられるようにした。
  • 調理中の納豆のにおい(部屋の)を軽減することができる。
  • 煮干しの出汁を取らなくても、食材から十分うま味が出て美味しく食べることができる。

材料

※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。

作り方

  1. サメは角切りにしてバットなどに入れ、甘酒、低核酸系うま味調味料(A)を揉みこんで10分程度臭み抜きをしておく。
  2. むきさといもはひと口大の乱切りにし、高核酸系うま味調味料(B)を揉みこんでおく。
  3. にんじん、木綿豆腐は1cm角のさいの目切り、ねぎは細かくきざむ。
  4. 油揚げは1cm幅に切り、油抜きをしておく。
  5. なめこはよく洗い、わらびとぜんまいは3㎝長さに切る。
  6. 鍋に水、①を甘酒ごと加え、にんじん、さといもを加えて火にかけ、沸騰したら豆腐、油揚げ、なめこ、わらび、ぜんまいを加えて、フタをしてさらに煮る。
  7. 食材に火が通ったら火を止め、ねぎを加える。
  8. みそと低核酸系うま味調味料(C)、粉末納豆汁の素をボウルに入れ、⑦のだしを少しずつ加えながら泡立て器で混ぜてよく溶かす。
  9. ⑦の鍋に⑧を加えて混ぜ、お椀に盛り、割った納豆せんべいをのせて完成。

〈伝統レシピの調理手順〉
①伝統的な作り方では調理前に臭み抜きはしない(甘酒、うま味調味料は使用しない)。
③伝統的な作り方ではさといもは土つきを皮をむいて使用する。
⑥伝統的な作り方では煮干しだしをとる。
⑧伝統的な作り方では納豆汁の粉を使用するのではなく、粒納豆をすり鉢に入れ丁寧にすりつぶして、そこにだし汁を加えながらのばして作る。
⑨伝統的な作り方では納豆せんべいは使用しない。

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