だまこ鍋の材料は鶏ガラベースの汁に鶏肉、野菜などきりたんぽ鍋と同様で、秋田県内の多くの地域では同じような頻度で食べています。しかし全国的な知名度は低く、だまこ鍋を広めたいと思い選びました。特徴は、ごはんをつぶして丸める作業が楽しく家族と一緒に作れること、焼くなどの工程がなく自宅でも作りやすいことが挙げられます。新米で作るだまこのおいしさは格別で、炊きたてのあきたこまちで毎年必ず作って家族で味わうことを心待ちにしています。だまこ鍋は一日目も味が染みておいしいですが、二日目は味の染み込み具合が増し、食材のうま味が鍋に溶け込みとてもおいしいので「二日楽しめる鍋」として全国の人に伝えたいと思います。
秋田県民は塩分摂取量が多く、約7割の人が濃い味を好みます。改めて食卓をみてみると普段から漬物や味の濃いものを食べていると感じました。うま味調味料を使い具材のおいしさを引き出して減塩できれば、「誰でも・簡単・継続できる」体に優しい食事作りを提案できると思います。また中食やコンビニ利用者が多いことを活用して、減塩でおいしい郷土料理を商品化・販売することで全国の人に食べてもらえる機会が増えると考えています。私は幼い頃に母からだまこ鍋の作り方を教わり、今回、ゼミのみんなで一緒に作ったことがとても楽しく思い出に残りました。「だまこ鍋は家族が集まる時やお正月に食べるよ」、「学校給食で出たよ」と話したり、「きりたんぽと一緒に入れる」「うどんも入れる」など家庭それぞれの楽しみ方で盛り上がりました。今回コンテストを通して秋田のお米のおいしさと地元の郷土料理を考える良い機会になり、さらに愛が深まりました。
A 伝統的なレシピ (1人分) |
B 減塩レシピ (うま味調味料不使用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) (1人分) |
C 減塩レシピ (うま味調味料活用) 作りやすい分量 (5人分) |
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材料名 | 分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 |
塩分
(食塩相当量) |
分量 | |
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精白米 (あきたこまち) | 70g | 70g | 70g | 2・1/3合 | ||||
高核酸系 うま味調味料(A) | ー | ー | 0.1g | 0.03g | 5ふり | |||
A食塩 | 1g | 1g | 0.8g | 0.8g | 0.8g | 0.8g | 小さじ2/3 | |
A水 | 50g | 50g | 50g | 1・1/4カップ | ||||
鰹節 | 2g | 2g | 2g | 10g | ||||
水 | 180g | 180g | 180g | 4・1/2カップ強 | ||||
鶏がら | 5分の1羽 | 5分の1羽 | 5分の1羽 | 1羽 | ||||
水 | 180g | 180g | 180g | 4・1/2カップ強 | ||||
低核酸系 うま味調味料(B) | ー | ー | 0.3g | 0.09g | 小さじ1/2 | |||
鶏肉もも肉 | 100g | 0.2g | 100g | 0.2g | 100g | 0.2g | 500g | |
低核酸系 うま味調味料(C) | ー | ー | 0.2g | 0.06g | 小さじ1/3 | |||
ごぼう | 30g | 30g | 30g | 150g | ||||
せり | 40g | 40g | 40g | 200g | ||||
糸こんにゃく | 80g | 80g | 80g | 400g | ||||
高核酸系 うま味調味料(D) | ー | ー | 0.1g | 0.03g | 5ふり | |||
まいたけ | 20g | 20g | 20g | 100g | ||||
しいたけ | 20g | 20g | 20g | 100g | ||||
ねぎ | 40g | 40g | 40g | 200g | ||||
醤油 | 29g | 4.2g | 12g | 1.7g | 12g | 1.7g | 大さじ3・1/3 | |
味噌 | 5.5g | 0.7g | 4g | 0.5g | 4g | 0.5g | 大さじ1強 | |
みりん | 14g | 6g | 6g | 大さじ1・1/2強 |
※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。
〈伝統レシピの調理手順〉
①米は心持ち固めに炊き、熱いうちにすり鉢でよくつぶす。
②ピンポン球くらいの大きさに丸め、塩水にさっと入れる。
⑦伝統的な作り方ではしいたけの軸は使わない。
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