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郷土の味をひきたてる〜うま味〜 おいしく減塩 第7回郷土料理コンテスト2022
結果発表

表彰式

12月17日、第7回「うま味調味料活用
郷土料理コンテスト」2022表彰式が
実施されました。
今年は味の素グループうま味体験館を
会場とし、オンラインにて各地域と
結びお祝いしました。
審査員長の中村丁次先生より、
各チームへの表彰状授与の他、
受賞者による熱いプレゼンテーション
が繰り広げられました。

表彰式関係者メンバー
前列左より:優勝チーム「ラリレファーム」、日本うま味調味料協会 会長 高藤悦弘、日本栄養士会 会長 中村丁次先生、準優勝チーム「だがやがやがや」 中列左より:審査員の先生方、料理研究家 渡辺あきこ様、ほりえさちこ様、農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部食品製造課 課長補佐 桃野慶二様、長束正則様 後列:日本うま味調味料協会メンバー 後方スクリーン:オンライン参加の受賞者の皆様
優勝メンバー
表彰状授与 優勝:ラリレファーム
準優勝メンバー
表彰状授与 準優勝:だがやがやがや

表彰式の様子

受賞者のプレゼンの様子

優勝

ラリレファーム

おやき(長野県)

49%減塩

COMMENT

㈱NHK出版
「きょうの料理
ビギナーズ」

米村望編集長

「健康的」、「近代的」、「家族のふれあい時間アップ」という応募作品に込められたメッセージが素晴らしく、本コンテストの趣旨である次世代に繋げるということをまさに体現され、5大栄養素が全てつまった完全食のおやきの魅力をアピールしながらしっかりと減塩を成し遂げた作品だと思います。また、うま味調味料と素材のうま味の相乗効果や、下味で使うなど、さまざまな形でうま味調味料が活用されているということを感じました。

準優勝

だがやがやがや

名古屋市立大学 薬学部薬学科5年

鶏ちゃん(岐阜県)

31%減塩

COMMENT

女子栄養大学出版部
「栄養と料理」

浜岡さおり編集長

減塩レシピの開発プロセスが非常に納得のいく内容で、また、お仕事で携わられる対象者(患者さん)の日常の食事で健康に役立つような何かを成し遂げたいというその着眼点がすばらしく、とてもうれしく思いました。作り手の技量によっておいしくなくなってしまいがちな要素のある食材や、炒めものを、あらかじめ食材を調味料に漬けて冷凍しうま味調味料を活用することで、だれが作ってもおいしくなるレシピになっていると思いました。

時短アイデア賞

だっちゃーず

宮城県農業大学校
アグリビジネス学部2年

へそ大根のにしめ(宮城県)

54%減塩

COMMENT

(公社)日本栄養士会
会長
神奈川県立
保健福祉大学学長

中村丁次先生

乾物は戻す手間がかかるので敬遠されがちですが、栄養価が濃縮された優れた食材です。また、冷蔵庫の普及で乾物は利用されなくなってきましたが、電気を使わずに食品の保存性を保つことができ、災害時の食料確保に役立つ、というメリットもあります。そうした乾物の魅力を若者にPRしたということが高く評価されました。皆さんがいろいろ工夫されながら、あまり手間がかからないおいしい乾物料理を作られたことに称賛したいと思います。

郷土料理アレンジ賞

スローフード・ラボ+

京都栄養医療専門学校

なまぶしの押しすし(大阪府)

77%減塩

COMMENT

長野県立大学
健康発達学部
食健康学科教授

中澤弥子先生

大阪府全域で祭りやお祝いにふるまわれた郷土料理「なまぶしの押しずし」を伝承するため、入手しにくくなったなまぶしの代わりに、かつおフレーク缶詰を使用し、栄養に配慮し、さらにうま味調味料を活用しておいしく減塩して、だれにでも容易に作れるようにしたご提案、大変すばらしいと思いました。また、塩を加えなくても、うま味調味料と酢、砂糖ですし飯がおいしくできることを、普及するきっかけにもなるのではないかと思いました。

減塩サクセス賞

チーム農製'sキッチン

京都大学 大学院 農学研究科
食品生物科学専攻 農産製造学分野

鯖寿司(京都府)

54%減塩

COMMENT

㈱オレンジページ
「オレンジページ」

松田紀子編集長

鯖寿司は比較的食す機会が多い料理かと思いますが、塩分が高いことは多くの方が感じている課題だったのではないでしょうか。塩を減らしても別な手段で、水分を抜く、うま味を強める、安全性を高めるといったことができれば、もともと鯖寿司が持っている課題を根本的に解決できるのではないかという、そもそも論でのさえわたったアプローチが、新しい伝統を作るというところに見事に帰結しているのではないかと思いました。

郷土愛賞

田中ゼミナール

秋田栄養短期大学

だまこ鍋(秋田県)

44%減塩

COMMENT

東京聖栄大学
健康栄養学部
食品学科准教授

福留奈美先生

皆さんの「子どもの頃からおばあちゃんと一緒に作ってきただまこ鍋を知ってもらいたい!」という熱い思いと郷土愛が強く感じられる応募内容でした。名前の由来は「お手玉」という説や、おいしくて「だまって食べる子」から来たという説もあるとのことで、夢中になって子ども達が食べているシーンが思い浮かぶ郷土料理ですね。また、うま味の相乗効果を意識し、うま味調味料の種類を食材に合わせて使い分けされていて、納得のレシピ設計だと思いました。

コンテストの概要

うま味調味料を活用して、郷土料理を減塩でよりおいしく!をテーマに
郷土料理コンテストを開催いたしました。
受賞作品のよりおいしく減塩されたレシピや現代に合わせて作りやすく工夫された調理方法を、
各種メディアや当サイトを通じて発信することで、環境にも体にもやさしく、
かつ作りやすい郷土料理レシピとして伝えて行くことを目指します。
そして、考案された「おいしい減塩のための工夫」が普段の食生活の改善にも活かされるよう、
受賞チームの取組みを発信していきます。

審査員長の総評

第7回「うま味調味料活用!
郷土料理コンテスト」2022
審査員長総評
(公社)日本栄養士会会長
中村丁次先生

皆さんこの発表をお聞きになっていかがでしたでしょうか。私はいくつかの料理コンテストに参加させてもらっているのですが、こんなに多種多様で楽しさと面白さに満ち溢れた料理コンテストも珍しいのではないかと思います。お料理を試験官のように科学的に解明する学生さんたちも、郷土愛や、家族愛に満ち溢れた方もいらっしゃる。今日は多種多様な方たちが郷土料理の素晴らしさを発表されている姿を拝見し、本当に感動しました。また、こんなに多くのメディアの方々に集まっていただいて大変驚きました。コンテストへの参加者も100件を超えて、この郷土料理コンテストはこれからますます発展すると確信を得ました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

今日は、このコンテストの意味を少し考えてみたいと思います。これは単なる郷土料理のコンテストではありません。減塩をして、しかもおいしくするという、大変なテーマを持った郷土料理コンテストです。では、なぜ郷土料理をこれほどまでに表にださなければいけないか。これには大きな理由があります。地球の歴史を研究している地質学者たちが今の時代をアントロポセンと言い出しました。アントロポセンとは日本語で人新生(ひとしんせい)と言われております。従来地球上の生物は、環境に適応するように進化してきました。我々もホモサピエンスから人類になったのは環境適応の結果です。しかし、人間は頭が良くなり、環境に適応する中で、少しずつ環境を変えることによってより住みやすい状態を作ってきたわけですが、環境をあまりにも変えすぎて、地球そのものがおかしくなってきたわけです。今地球は人類が支配する星になってきています。しかもいい方向ではなくて、悪い方向に傾き始めているのです。皆さんご存じのように、環境破壊という大きな課題が、食糧問題にも影響し、感染症にも影響しはじめてきております。

では食事はどうするのか。「地球にもやさしい、人の体にもやさしい」、この両面を満足するネタは、郷土料理にあると私は思っています。なぜかというと、そこの地域に古くから伝統的に息づいて伝承されてきているからです。つまり、持続可能な料理は、郷土料理なのです。でも、古くからの郷土料理をそのまま作り続ければいいかというと、郷土料理にも問題があります。それは、郷土料理ができる過程の中で、あまり科学ということに対して考慮してこなかったからです。例えばこのコンテストには減塩というテーマがありますが、かつて我々は、塩は絶対に人間に必要であり、食塩を摂らないと元気が出ない、健康になれない、北国の人たちが塩を摂るのは、食糧を保存すると同時に生命を維持し、元気になるために摂っていたということで、減塩に対してあまり関心がありませんでした。

しかし、10~20年くらい前から、減塩こそが健康に最も重要であるということを、世界が認め始め、そして大きな減塩運動が起こってきました。郷土料理が持つ一つの問題、食塩の摂取量が多いという問題を、これまで培った科学技術の力によって、これをおいしくすれば、伝統的な料理・文化と、科学の力が融合し、新しくて地球にも優しい、そして人の体にも優しい郷土料理ができていくのではないか、このコンテストには、そういった意味があるのです。
本コンテストの趣旨に、今回も、ものの見事にこたえていただいた皆さんに心から感謝申し上げたいと思っております。ありがとうございました。

受賞作品の試食の様子と展示

新型コロナウィルスの感染防止対策をしっかりと講じた上で、優勝と準優勝の受賞作品の試食を行いました。

今年は大変多くのメディアの皆様に取材いただき、沢山の方に、うま味を生かしたおいしい減塩の郷土料理を味わっていただくことができました。減塩とは思えない味わい深いおいしさに、おどろきの声が上がっていました!!

気になる、伝統レシピに対する減塩率は下記の通りです。

優勝
「おやき」49%減塩
準優勝
「鶏ちゃん」31%減塩

表彰式の参加者紹介

受賞者

ラリレファーム様
だがやがやがや(名古屋市立大学 薬学部薬学科5年)様
だっちゃーず(宮城県農業大学校 アグリビジネス学部2年)様
スローフード・ラボ+(京都栄養医療専門学校)様
チーム農製’sキッチン(京都大学 大学院 農学研究科 食品生物科学専攻 農産製造学分野)様
秋田栄養短期大学 田中ゼミナール様

来賓

農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 課長補佐 桃野慶二様
農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 長束正則様
料理研究家 渡辺あきこ様
料理研究家 ほりえさちこ様

審査員

(公社)日本栄養士会 会長 神奈川県立保健福祉大学 学長 中村丁次先生
長野県立大学 健康発達学部食健康学科 教授 中澤 弥子 先生
東京聖栄大学 健康栄養学部食品学科 准教授 福留 奈美 先生
女子栄養大学出版部「栄養と料理」 浜岡さおり編集長
㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」 米村望編集長
㈱オレンジページ 「オレンジページ」 松田紀子編集長

主催者

日本うま味調味料協会メンバー

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